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日体大・松本航が4安打完封!東洋大・高橋昭雄監督「生涯青春。悔いはない」【明治神宮野球大会】

 日本体育大が松本航投手(3年・明石商)の4安打完封で4対0と快勝し、優勝した1980年以来の決勝進出を決めた。敗れた東洋大は今秋限りで退任する高橋昭雄監督の有終の美を飾ることはできなかった。

雨が降りしきるコンディションだったが、最後まで制球はほとんど乱れなかった松本

★機動力や小技を駆使して大きな4得点

 日体大の来秋ドラフト候補右腕・松本が、圧巻の投球で東洋大の強力打線をわずか4安打に封じ込めた。試合展開がもつれれば、2回戦で好リリーフした最速152km/h右腕の東妻勇輔投手(4年・智弁和歌山)の投入も考えていたという古城隆利監督。だが「左打者へのインコースにかなり決まっていたので」と、左右高低にストレートやツーシームなどの変化球を巧みに投げ分ける姿を見て、最後まで松本にマウンドを託した。
 松本のテンポの良い投球に打線も呼応した。3回には二死から大木惇司内野手(2年・東福岡)がレフト前安打で出塁すると、二盗に成功。冨里優真外野手(4年・日体荏原)のライト前安打で、大木が俊足を飛ばしてホームを陥れた。  
 さらに5回にも冨里のライト前タイムリー、馬場龍星捕手(2年・八戸学院光星)のスクイズで2点を追加。8回には冨里が3打点目となる犠牲フライを放って、これがダメ押し点となった。 

★選手への愛情は尽きず

 東洋大は、監督生活46年、東都大学1部リーグ通算542勝(歴代最多)を挙げた高橋監督最後の指揮となった。試合終了後の挨拶を終えると選手たちは涙をこらえることができなかった。主将を務めた飯田晴海投手(4年・常総学院)は、前の試合での打席時に右ひじを痛めた影響で登板はできず。「監督との時間は1日1日が大切な時間でした。日本一という形で感謝を示せず悔しいです」と声を震わせた。
 高橋監督は「負けたので万感の思いというのはないですよ」と悔しさを見せて涙はなかった。そして「23歳から学生と同じ気持ちで“生涯青春”とやってきたら69歳になりました。野球ばかりやってきたけど、後悔はないです」と晴れやかな表情で語った。
 また最終回に代打で出場し安打を放った末包昇大外野手(3年・高松商)に対して「パワーは一番ある子。才能はあるんだから、今日のヒットをきっかけに来年はクリーンアップを打って欲しいね」と話すなど、選手への愛情は最後まで尽きなかった。

ユーモアを交えながら、晴れやかな表情で監督生活を振り返った高橋監督

★準決勝 東洋大vs日本体育大
東洋大   000000000=0
日本体育大 01020001X=4
【体】○松本—馬場
【洋】●甲斐野、山下、中田、村上、片山−西川

悔し涙を流す東洋大の選手達

文=高木遊、写真=高木遊、伊藤華子