第48回明治神宮野球大会高校の部で、四国大会優勝の明徳義塾が関東大会優勝の中央学院を5対3で破って、準決勝進出を決めた。

今夏の甲子園でも好投した市川が神宮でも結果を残した

　両校先発投手は明徳義塾が市川悠太投手（2年）、中央学院が大谷拓海投手（2年）と、プロも注目する大型右腕同士の対決となった。
　試合の大半は明徳義塾ペースで進んだ。初回に2本の安打で二死一、二塁のチャンスを作ると、安田陸捕手（1年）の打球はセカンドフライかと思われたが、二塁手が人工芝に足を取られて体勢を崩すと、打球がポトリと落ち明徳義塾が2点の先制に成功した。これには相馬幸樹監督が「3回までは試合をちゃんと作りたかったのですが」と悔しそうに振り返る。
　その後も明徳義塾は、2回・4回とそれぞれ3安打を絡めて得点を挙げ、試合前半で5点のリードを奪った。

　だが、その後は大谷が踏ん張り、その後を無失点に抑えると、全校応援にも後押しされ、8回ようやく反撃に出る。
　2番・田中大暉外野手（2年）の三塁打を皮切りに、3番・長沼航内野手（2年）のライト前タイムリーで1点を返す。さらに4番・大谷がやや甘く入った134km/hのストレートを振り抜くと、打球は逆方向のレフトスタンドに飛び込む豪快な2ラン本塁打となった。
　これには明徳義塾・馬淵史郎監督も「外の球を踏み込んで逆方向に、あそこまで飛ばすなんてリストが強いんでしょうね。非凡なものを感じました」と舌を巻いた。
　豪快な一発を浴びた市川だったが、9回7安打3失点にまとめて、そのまま逃げ切った。市川はそれでも「今日は体が開いてシュート回転してしまっていました。ストレートの調子は良かったのでコントロールを修正していきたいです」と反省を口にした。
　また馬淵監督も「課題は守備。守り勝つチームなのに1試合でエラー4つではこの先勝てません」と、初戦突破にも渋い表情だった。

★2回戦・中央学院vs明徳義塾
中央学院 000000030=3
明徳義塾 20102000X=5
【中】●大谷—池田
【明】○市川−安田
本塁打：中央学院・大谷《8回2ラン》

投手としては8回13安打5失点と結果を残せなかったが、打撃で魅せた大谷

◎中央学院・相馬幸樹監督
「大谷がひと冬で精神的・肉体的にどこまで成長するかがチームのカギにもなると思います。まだまだ集中力など投打に課題はあります」

文・写真＝高木遊