最終打席にヒットを放った國學院大・増田は笑顔でベンチへと戻る

集中打で挙げた3点を守り切った國學院大が3対2で中央大に勝利。

6回、2死一、二塁から西丸泰史内野手（3年・尽誠学園）のタイムリーで先制すると、続く中山遥斗内野手（1年・大阪桐蔭）の2点タイムリー三塁打で3点を奪う。

先発した諸見里俊投手（1年・沖縄尚学）は6回2安打無失点の好投でリーグ戦初勝利。9回無死一塁から宮内崇匡投手（4年・土浦日大）が今季初登板も、タイムリーを浴びて1点差に。1死一、三塁と一打サヨナラのピンチに醍醐駿平投手（4年・関東一）が登板。1球で投ゴロ併殺打に打ち取って逃げ切った。

この日の國學院大は、3年生以下の選手がスタメンに名を連ねた。6回に3点を先行してからは代打などで4年生野手を起用。最終戦を前に、中村優希学生コーチ（4年・楊志館）が鳥山泰孝監督に「4年生で締めたい」と直訴。指揮官も思いは同じだった。3回裏が始まる前にはベンチ内で4年生が集められ、鳥山監督から「最後だから下級生がやり易い環境を作って、自分たちもすぐに出られるように準備しておいてくれ」と声をかけられた。

増田陽太主将は3－0の6回、2死三塁で代打出場も凡退。だが9回に巡ってきた第2打席ではレフト前ヒットを放ち、國學院大ベンチ、スタンドからは一際大きな歓声が送られた。

◎國學院大・増田陽太主将

「1打席目は次の1点を取りたいところでしたし、自分の中ではもうこの1打席だけだと思っていたので4年間の集大成を見せたかったので打てなかったのは悔しかったです。でも2打席目を回してくれたので気持ちだけで打ちました。4年間を振り返ると、野球だけではなくて私生活や人間性の部分も成長できたと思います。鳥山監督や上月コーチにいろいろ教わって、社会に出たときに通用する人間にまだなりきれてはいませんが、準備はできたと思います」

◎國學院大・山﨑剛（楽天3巡目指名）

「1部に残留して後輩に残せたことが一番嬉しいのですが、いい気分でドラフト指名を受けてほっとしています」

國學院大 000003000=3

中央大 000000011=2

【國】○諸見里（俊）、吉村、宮内、醍醐―横井

【中】●花城、平澤、畠中―保坂

文・写真：山田沙希子