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プロ野球

「プロトップクラス」に近いアマチュアNO1左腕 田嶋 大樹(JR東日本)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

田嶋 大樹 たじま・だいき
JR東日本
投手・左投左打・182センチ77キロ・1996年8月3日生(21歳)

 スリークォーターよりもやや低いリリースポイントから右打者のインコースを突く左腕。最速152キロのクロスファイヤー、スライダー、カットボールのキレは今年選出された侍ジャパン社会人代表などで対戦したNPB打者たちにも十分通用しており、社会人ナンバーワン左腕として、今年のドラフトでは主役の一人に数えられる。

 市立宝木小時代に軟式・宝木ファイターズで野球をはじめた栃木県宇都宮市出身の田嶋は、市立陽西中では鹿沼ボーイズでプレー。佐野日大高では3年春のセンバツ大会にエースとして出場すると、1回戦の鎮西高(熊本)戦では12奪三振で完封勝利。2回戦・智辯学園高(奈良)戦では岡本和真(巨人)から2三振を奪うなどベスト4。当時から140キロ中盤を記録していたストレートと高い奪三振率からドラフト1位候補として目されていたものの、本人は体力不足などを理由にプロ志望届は提出せず。社会人・JR東日本へ進んだ。

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 社会人でも1年目から活躍。3月のJABAスポニチ大会では富士重工業戦でいきなり先発を任され、5イニングで7三振を奪い無失点。走り込みなどに励んで基礎体力を養い、昨年は4月のJABA静岡大会で三菱重工名古屋戦に先発すると自己最速の152キロをマーク。延長タイブレークの12回まで投げて16奪三振。5月の都市対抗・東京都二次予選では先発、救援とフル回転で全3試合に登板し大会最優秀選手賞を受賞した。さらに昨秋にはプロ・アマ合同で結成されたU-23侍ジャパン代表に選出。軽いぎっくり腰を発症したために登板機会はなかったが、同級生の安樂智大(楽天)や塹江敦哉(広島)らに交じり第1回WBSC U-23ワールドカップ優勝を経験している。

 そして今季は、少ない球数で打たせて取る投球スタイルにもチャレンジ。今夏の都市対抗では球速をやや落とし、ピンチの場面でギアを上げる投球で、1回戦の伏木海陸運送戦は1安打完封。2回戦の三菱重工名古屋戦も相手打線を4安打に抑え、2試合連続の完封勝利と結果を残した。

将来性と同時にプロトップクラスに近い投球術も身に付けようとしている田嶋。「第1回選択希望選手」のアナウンスがどの球団から出るか、要注目だ。