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プロ野球

THE天然素材!糸井嘉男を目指す大型外野手 村上海斗(奈良学園大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

村上 海斗 むらかみ・かいと
北照高→奈良学園大
外野手・右投右打・189センチ95キロ・1995年7月7日生(22歳)

 189cmの大柄な体を生かした馬力に加え、50mを5秒8で走るなど高い身体能力を有する。
 京都南山城ボーイズから野球留学した北海道・北照高では「寒さは大変でしたが、寮生活で礼儀など学ぶことが多かったです」と振り返る。甲子園は2年春、3年春夏と3度出場も代打要員のことが多く、最後の夏のみ先発出場したが初戦敗退を喫した。

 投手としてストレートの最速は145km/hまで達していったが、右肩痛の影響もあり大学2年から野手に専念。その春の全日本大学野球選手権では6番・指名打者で先発出場も、「何もできませんでした」と3打数無安打2三振に終わり、第4打席には代打を出された。

 こうした悔しい経験を糧にし、さらには3年時に副将を任されて「チームのために」と意識が変わった。2度目となった3年の全日本大学野球選手権では、準々決勝の関西国際大戦で逆方向の神宮球場ライトスタンドに本塁打を叩き込んだ。また逆転負けこそ喫したが、優勝した中京学院大との準決勝では3安打2打点の大活躍を遂げた。
 
 潜在能力に惚れ込み、直筆の手紙を書いてまで村上を勧誘した酒井真二監督は「入ってきた時はもやしみたいなヒョロッとした投手でした」と振り返るが、合宿所は無いため自宅で白米と鶏肉中心の食事を心がけて現在の体を作り上げた。
 酒井監督は「まだまだ伸びる。これだけのポテンシャルを持った選手はなかなかいません。技術が身についてきたら糸井(オリックス)や柳田(ソフトバンク)のようになる可能性を持っています」と期待を込める。
 
そして、村上自身も将来の目標として糸井の名を挙げる。社会人野球の強豪5社からの誘いも断り、進路はプロ一本。まだまだ攻守で意識面を含めて課題は多いが、そのポテンシャルがフルに発揮された時にどんなプレーを見せてくれるのか。そのロマンに賭けてみたくなる選手であることは間違いない。
 

文・写真=高木遊