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2017.10.12 11:55
東都通算100安打を達成した攻守で野性味あふれる内野手 山崎 剛(国学院大)
「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」
山崎 剛 やまさき・つよし
日章学園高→国学院大
内野手・右投左打・172センチ69キロ・1995年12月29日生(21歳)
6人姉弟の末っ子で、普段は天然発言も多く誰からも愛される親しみやすい性格だ。しかし、グラウンドに足を踏み入れると「野生の勘」のようなものを感じるアグレッシブな動きを走攻守で見せ、対戦相手にとって厄介な存在に変貌する。
日章学園高時代に甲子園出場は無いものの、同僚の冨安翼(現東京ガス)の視察に訪れた国学院大の上月健太コーチの目に留まり進学。2年春にレギュラーを獲得すると、いきなり打率.400を残して首位打者とベストナインを受賞する大活躍を見せた。以降も中心打者として安打を積み重ね、10月11日の対東洋大2回戦では、通算安打数を100本の大台に乗せた。
「初球から振っていくことをモットーにしてきました。当てるだけの打撃では上で通用しないので、力強く自分のスイングをすることを心がけています」と話すように、積極的な打撃が光る。
抜群の打撃センスに加えて力強さや嫌らしさも増してきた。3年秋まではリーグ戦で本塁打はなかったが、今春は3本塁打を記録。盗塁もイチローや片岡治大(巨人)ら過去の盗塁王の動画を見て研究に励み、昨秋6盗塁、今春7盗塁を決めて、走塁面でも成長を見せた。
今では球際の強さが光る守備も「入学した頃は本当にヘタクソでした」と山崎は振り返る。だが、谷内亮太(ヤクルト)、山下幸輝、柴田竜拓(DeNA)をNPBに輩出するなど内野守備指導に定評のある上月コーチのもとで、基礎を大切にしながらも自然体の動きを大切にする指導で技術を向上させた。そして、今春は二塁手ながら無失策でシーズンを終えた。
こうした成長を続けている秘訣は「このままじゃいけない、この実力じゃ通用しないという感覚で毎日練習しています」と話す飽くなき向上心だ。上月コーチも「現状に満足することがないですし、次のステップも上を見すぎるわけでもなく的確」と評価する。
好きな言葉は「人生最大の敵は自惚れ、最大の味方は努力」。これからも積極果敢な姿勢で着実に進化を遂げて、さらに多くの栄光を掴み取っていきたい。
文・写真=高木遊