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HOT GAMES 中根仁が斬る『9月14日 広島東洋カープ 対 横浜DeNAベイスターズ』

9月15日終了時点で、両リーグの1位チームが優勝マジック1となり、シーズンの動向はほぼ決定的となった。ただ、当然のごとく、まだ残るシーズンの中にも見どころは多く残されている。特に、目を離せぬ状況にあるセ・リーグのCS争いについて、ベイスターズOBの中根仁氏が古巣の戦いぶりを振り返りつつ、語ってくれた。

——レギュラーシーズンの終わりが近づいてきました。優勝も決定的となり、残すところ十数試合となりましたが、どういう風にシーズンをご覧になられていますか?
「おそらく、ファンの皆さまも思っていることかと思うのですが、あれだけ走ってきた広島、そして夏に入って一気に楽天を追い抜き、独走体制に入ったソフトバンク。この両チームほど勝利を重ねていても、まだ優勝が決まらない(15日終了時点)というところに、シーズンを勝ち抜くことの難しさを改めて感じますよね。もう残り十数試合というところで、ようやく決まるわけですから。それでいて、いまの選手たちはポストシーズンがあり、まだ終わらないというね。大変だなと思いますし、ただその一方でファンの人たちは最後まで長くシーズンが楽しめるということでね、最後の最後の最後まで楽しいシーズンになるといいなと思っています」

——最後の最後まで、というところでいくと、選手の個人タイトルなどもありますが、やはり注目はセ・リーグのAクラス争いになってきますか?
「そうですね。本当に最後までわからないですからね…。シーズン序盤から、安定した戦いをしてきたDeNAがここにきて、4位に落ちてしまった。巨人は大型連敗を経験しながらも、粘りづよくやってきたおかげでいまここにたどり着いていますから、どっちも負けられないという思いは強いでしょうし、これがクライマックスシリーズの対戦カードでもよいぐらいの争いですよね」

——直近の横浜は、負けられない状況の中で、首位・広島との連戦でした。どのように戦いをご覧になられていましたか?
「初戦はいい具合にDeNAがペースをつかんだんですがね。2戦目、3戦目で大きく明暗が別れてしまいました。特に勢いと今年の強さの差というのが大きく出たような気がします」

——どの辺りにその“差”が出ていたでしょうか?
「まずは初戦、DeNAが2回に先制点を挙げ、それを守りきるという展開でした。一番、勝利のイメージがしやすいというか、シンプルな試合展開ですよね。ウィーランド投手の投球もすばらしかったですし、勢いがついてもおかしくない試合だったと思います。ただ、2戦目、先制しながらも初回に逆転されてそのまま逃げ切られてしまいました」

——結果的には4対12という大差のゲームでした。
「そうですね。割り切れるぐらいのスコアではあるんですけど、ひとつも負けたくない、負けられない状況の中で、若い飯塚投手が先発だったというのも難しい選択だったのかなと思います。まして、マツダスタジアムですしね。ピッチャーのことは専門外なのでわからないのですが、例えば勝負どころの代打だったり、育てる意図で起用しているのかな?という感じで勝負をかけているシーンがあるようにも感じます。やっぱり代打、継投という場面で差が上位と差が出てしまっているのは事実かなという気がしますね」

——3戦目は一度逆転しながらも、試合をひっくり返されました。
「2試合目の勢いそのまま、という試合でしたね。DeNAもよく粘ったんですが、広島の勢いに飲まれてしまったかなと。優勝の可能性もあった試合でしたしね」

——DeNAは巨人との3位争いが続きます。
「正直、いまの雰囲気だけをみると巨人に分があるような気がしてしまいます。ただ、この広島との連戦で決まったかのような雰囲気が出てしまっているんですけど、DeNAは阪神との試合もたくさん残していますから、2位の可能性もあるというぐらいにね。ここから最後まで盛り上げて欲しいなと思います」

——ありがとうございました。


中根 仁(なかね・ひとし)
球歴:東北高→法政大→近鉄→横浜
パンチ力ある打撃と俊足&強肩で活躍した元・近鉄戦士。近鉄で9年間活躍したのち、97年オフに横浜へと移籍。左キラーとして翌年のVに大きく貢献した。東北高では甲子園にも出場し、
ひとつ下の後輩に佐々木主浩。現在は引退後のアスリートを応援するポータルサイト『アスリート街.com』の代表をつとめる。宮城県出身。右投げ右打ち。外野手。