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2016.11.03 21:26
清宮5三振も野村が劇的サヨナラ弾で早実が優勝 センバツ当確【秋季高校野球東京大会】
11月3日、2万人の観衆が集まった神宮球場で、秋季高校野球東京大会決勝が行われた。両軍が点を奪い合うなど緊張感の高い試合展開は9回に大きく動き、最後は早稲田実が粘りを見せて日大三に競り勝った。これで、11日から始まる明治神宮野球大会(早実初戦は12日)出場を決めるとともに、来春のセンバツ甲子園出場を確実なものとした。
日大三 100030002=6
早稲田実 010300004x=8
【日】櫻井—津原
【早】中川、赤嶺、石井—雪山
本塁打:金成(日大三)、野村(早実)
三塁側スタンドの大きなため息は、数分もしないうちに大歓声に変わった。
9回、早実はここまで好投を続けてきた日大三の左腕・櫻井周斗投手(2年)から途中出場の西田燎太外野手(2年)のタイムリーと櫻井の暴投で同点とすると、なおも打席には清宮幸太郎内野手(3年)。だが、櫻井のスライダーにタイミングが合わずに5打席連続三振。三塁側スタンドからは大きなため息が漏れた。
それでも続く4番には、今夏から4番を務めている野村大樹内野手(1年)。 高校通算20本塁打をこれまで放っていた野村は、「スライダーを狙っていました」と初球のスライダーを振り抜くと、打球は逆方向のライトスタンドへ。高校通算21本目の本塁打は劇的なサヨナラ2ランとなり、早実が来春のセンバツ甲子園出場が確実となる東京大会制覇を決めた。
清宮は試合後、「こんなに三振したのは初めてです。野村は“男”だなと思いました」と笑い、野村は「1・2回戦は僕が打てずに清宮さんがカバーしてくれたので、清宮さんも“男”だと思います(笑)次は僕の番だという気持ちでした」と満面の笑みで話した。
和泉実監督は「苦しんでいる主将をカバーしようと全員で野球ができました」と選手たちを称え、「大きな声援に背中を押してもらいました」とスタンドに感謝の気持ちを示した。
早実の次なる戦いは明治神宮大会。清宮を中心としながらも、清宮頼みとなることがない全員野球で、「秋の高校日本一」を目指す。
文・写真:高木遊