メキシコ打線を2失点に抑えた東（立命館大）写真=Getty Images

第29回ユニバーシアード競技大会 予選ラウンドBグループ第2戦
侍ジャパン大学代表7-2メキシコ（8月22日／台湾・台北市）

　初回にダブルスチールで先制したものの、4回までに8残塁とメキシコ投手陣を打ち崩せなかった侍ジャパン大学代表。5回表にはエース・東克樹投手（立命館大）の2つの送球エラーとセンター前へのポテンヒットで逆転を許し、嫌な空気が流れた。
　それを払拭したのが3回から代打で途中出場していた長沢吉貴外野手（日本大）だ。3回の打席こそ凡退したが、5回1死二塁のチャンスでセンター前に運び、同点打を放つ。さらに続く小畑尋規捕手（立正大）のレフト線への二塁打で俊足を飛ばして逆転のホームを踏んだ。
　7回には先頭打者としてセーフティーバントで出塁すると、盗塁と捕手の送球エラーで三塁へ進む。ここで熊谷敬宥内野手（立教大）がスクイズを決め、長沢が再びをホームを踏んだ。
　さらに8回には辰巳涼介外野手（立命館大）の2ラン本塁打の後に、センター前安打で三たび出塁すると、熊谷の内野ゴロの間に生還した。

「スモールベースボールすぎるくらいスモールベースボールでしたね」と試合を振り返った善波達也監督は「思いきって序盤から長沢を使いましたが、持ち味を発揮してくれました」と称えた。
　途中出場が多く、公式練習も2時間のみで調整は難しいが、選手村での素振りや仲の良い島田海吏外野手（上武大）と意見交換などをし「いつでも準備していけるようにしてきました」と話す。
　今後のスーパーラウンドや決勝トーナメントに向けて、相手好投手に苦戦することも十分に想定される。その際には島田、長沢、辰己ら俊足選手の働きも2大会連続の金メダル獲得に欠かせない要素となっていきそうだ。

メキシコ 000020000=2
日本　 10002013X=7
【日】東、阪本—小畑
本塁打：辰己（8回2ラン）

◎東克樹投手（立命館大）※8回3安打2失点11奪三振の好投
「マウンドは硬く、投げやすかったです。ライトからレフトへの風が強かったので、（右打者の多いメキシコに対し）アウトコースを中心とした投球にしました。送球ミスは普段はあまりしないので引きずってしまいました。今後に向けてしっかり練習していきたいです」

★スターディングメンバー
左　島田（上武大）
三　宮本（奈良学園大）
二　中川（東洋大）
指　楠本（東北福祉大）
一　大平（桜美林大）
中　辰己（立命館大）
右　内海（中部学院大）
捕　小畑（立正大）
遊　熊谷（立教大）
投　東（立命館大）

文：高木遊