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2016.11.02 20:35
【高校野球】清宮擁する早実か、桜井擁する日大三か 強豪が激突する決勝戦の見所は?
明治神宮大会(11月11日開幕)の出場をかけた秋季東京大会の決勝戦が3日に神宮球場で行われる。
■清宮は「打」だけではない―、和泉監督も「彼には非常に影響力がある」
明治神宮大会(11月11日開幕)の出場をかけた秋季東京大会の決勝戦が3日に神宮球場で行われる。来年3月のセンバツ高校野球の出場校決定においても参考となる重要な大会であり、優勝すれば、当確。準優勝でも出場できる可能性は残されている。日大三と早稲田実の決勝戦。ともに全国制覇の経験のある名門同士の対決に注目が集まっている。
早実は高校通算74本塁打と来秋のドラフト1位候補の怪物・清宮幸太郎主将がチームを引っ張ってきた。本塁打数だけが先行して注目されているが、清宮のバットだけで勝ち上がれるほど、野球は甘くない。実際に関東一との準々決勝では無安打。準決勝の国士舘戦では1安打で打点はなし。主砲のバットが火を噴かずして、チームは快勝。そこには献身的な清宮の姿があった。
関東一戦では四球と死球が1つずつ。「四球も死球も、出塁は出塁なので、ヒットと同じくらいの気持ちです」とともに得点につながった。清宮が警戒されることで相手投手の集中は分散される。そこで4番の1年生・野村や2年生外野手の小西らが甘い球を逃さずに積極的にスイングする。また守備でもフェンスに激突しながら、ファウルボールを捕球。1年生バッテリーの時には守備の際にこまめに声をかけて、後輩の経験不足を自身の経験で補っている。
和泉実監督も「野球を一人でやっているわけではない。清宮が打てる、打てないでなく、彼には非常に影響力がある。フォア・ザ・チームでバッティングをしているだけでいい影響は出てくる。清宮のチームじゃなくて早稲田実として一つのチームとして戦えていることがチームとして大きい」。
これまで得てきた数々の経験はチームに好影響を与えていた。力が突出した投手はいないが、1年生右腕の中川がこの大会で台頭。昨夏甲子園のマウンドに立った服部や1年生左腕の赤嶺、石井ら「頭数はいる」と和泉監督が言うように、投手陣は総力戦で日大三へ挑む。清宮のバット頼みではなく、チーム力で勝負していく。
■日大三の投打の軸となる桜井、193センチの大砲にも注目
一方の日大三も、今年の夏も主力だった桜井周斗投手が主将に就任。投打の軸になっている。
最大の武器はスライダー。準決勝の日野戦では7回コールド勝利ながら、相手打線から10奪三振。キレのあるスライダーは狙っていてもなかなか捉えることができない高いレベルにある。左右は違うが楽天の奪三振王・則本のような変化球を理想に掲げて、毎日、投げ込みで磨いてきた。
非凡な打撃よりも「投手の練習も好きになってきました」と熱が入り、さらに進化。今年の夏も登板したが、走者を背負って痛打されたり、制球を乱すこともあった。小倉全由監督は「夏はぶっつけ本番。走者を出しても、自分の投球ができるようにやってきた」と成長を実感。好調の早実打線をどのように抑えていくかが注目だ。
打線では清宮と同学年の大型一塁手の金成麗生内野手が楽しみな存在だ。米国人の父、日本人の母を持ち、身長は193センチと大柄。入学時から注目の左腕として投手でプレーも、打撃力を買われて内野手に。その大砲は準決勝の日野戦の5回に豪快な3ランを放ち、脚光を浴びた。タイミングさえあえば、どこまでも飛んでいく打球は相手の脅威になる。クリーンアップは強力で3番・桜井、4番・比留間海斗、5番の1年生・日置航、6番・金成と気を抜けない打者が並ぶ。
結果次第では東京から2校のセンバツ選出も十分に考えられるが、明治神宮大会という秋の全国ナンバー1を決める戦いを経験できるのは1校のみ。大きな経験と勲章を手に入れられるのは果たしてどちらの名門か。