- 社会人野球
2016.11.01 21:20
関西大が関西地区大学選手権を制し、2年ぶり5回目の明治神宮大会出場!
上位2チームに明治神宮大会の出場権が与えられる関西地区大学選手権。31日、第1代表決定戦が大阪市南港中央野球場にておこなわれた。
この大一番で相まみえたのは関西大(関西学生)と奈良学園大(近畿学生)。延長10回、タイブレーク規定の適用に及んだ熱戦を7-5で制し、2年ぶり5回目の神宮大会出場を決めたのは関西大だった。
4回までゼロが並んだ試合の均衡を破ったのは、関大の4番・安井洸貴(4年・大阪桐蔭)だった。
5回表、二死2塁の場面でライトへ高々と放った放物線は大学通算3号のランとなって芝生席で弾んだ。
一方の奈良学園大もすぐさま反撃に転じる。5回裏に菅田大介(1年・京都共栄学園)の犠飛で1点を返すと、続く6回には3番・宮本丈(3年・履正社)、4番・高橋拓也(3年・明徳義塾)の連続タイムリー二塁打で2点を加え、逆転に成功する。
8回表、関西大は先頭の6番・土井健太郎(4年・智辯和歌山)が右中間を深々と破る三塁打で出塁すると、8番・久米健夫(3年・大阪桐蔭)がライトへ同点犠飛。神宮大会出場をかけた決戦は、一死満塁から始まる打順選択制のタイブレーク形式による延長戦へ突入した。
先攻は関西大。両チームはともに3番打者を先頭打者に選んだ。
このプレッシャーがかかる場面で初球を振り抜いた関西大の3番・古川陸(2年・東大阪柏原)の打球は左中間を破る2点タイムリー二塁打となった。「『おまえでアウトになったら仕方がない!』とベンチにいる選手全員が言ってくれたんです。とにかくフルスイングでゲッツーになったら仕方がないと割り切って、初球のストライクを思い切り振ると決めていました。中途半端なスイングだけは絶対にしまいと」(古川)
続く4番・安井も右中間を破る2点タイムリー2塁打を放ち、この回一挙4点。10回裏の奈良学園大の反撃を押し出しと犠飛よる2点に抑え、試合は決した。
3塁側の応援団から投じられた紙テープが舞う中、マウンド付近で喜びを爆発させる関西大ナイン。選手たちの手で計4度、宙に舞った早瀬万豊監督は「選手たちは本当にたくましくなった」と嬉しそうに語った。
ディフェンス面で光ったのは、6回裏の途中から2番手としてマウンドに上がった阪本大樹(3年・履正社)の好投だ。打者14人をノーヒットに抑え、奪三振は5者連続を含む7個。チームに勇気を与える、気持ちのこもった投球が逆転勝利を呼び込んだ。
松山和哉主将(4年・PL学園)は「今の熱い気持ちと勢いが冷めないよう、チームを鼓舞していきたい」と表情を引き締めた後、続けた。
「スタンドもベンチも試合に出ている選手も一体となって戦えるのがうちの最大の武器。その武器を全国の舞台でも存分に見せつけたい。全国制覇はこの1年間、チームで掲げてきた目標です。あと3勝。是が非でも成し遂げたいです」
惜しくも敗れた奈良学園大は、11月1日、第二代表の座をかけ、敗者復活準決勝を勝ち上がった大体大(阪神)と対戦する。
文・写真:服部健太郎