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侍ジャパン

侍ジャパンU23代表が郭李建夫監督(元阪神)率いるチャイニーズ・タイペイに7回コールド圧勝

「第1回WBSC U-23ベースボールワールドカップ2016」オープニングラウンド最大の山場と見られる前回王者(第1回IBAF 21Uワールドカップ王者)のチャイニーズ・タイペイ戦で、侍ジャパンU-23代表が15-3で7回コールド勝ちを収めた。

「日本の代表として来ているので負けるわけにいかない」と意気込んでマウンドに上がった先発の安樂智大(楽天)は、ストレート主体の組み立てで初回と2回を三者凡退。いずれの回も三振を2つ奪った。

6回3失点で8奪三振の力投を見せた安樂(東北楽天)

6回3失点で8奪三振の力投を見せた安樂(東北楽天)

するとこの好投に打線が応える。初回に1番・武田健吾(オリックス)が二塁打を放ちチャンスメイクすると二死後、4番・真砂勇介(ソフトバンク)の放った高く上がった打球がショートとレフトの間に落ちるラッキーな適時二塁打となり先制に成功。2回にも三好匠(楽天)の安打と2つの四球で全ての塁を埋めると、武田の打球が右中間フェンスを越える。「犠牲フライを打ちにいこうと思い打席に入り、ああいう結果になった」と低めの難しい球を上手く捉えた一打は今大会のチーム第1号となるグランドスラムとなった。
武田は、2年前の「第1回 IBAF 21Uワールドカップ」を経験している今回の代表の数少ないメンバー。前回、決勝で敗れたチャイニーズ・タイペイに対して「2年前悔しい思いをしているのでリベンジの気持ちがあった」という思いが、この日満塁ホームランを含む4安打という結果を生んだ。

満塁ホームランでナインに迎えられる武田(オリックス)

満塁ホームランでナインに迎えられる武田(オリックス)

写真提供=Getty Images

この一発で試合の主導権を握ると侍ジャパンU23代表打線の勢いは止まらない。安打で出塁した植田海(阪神)は続く乙坂智(DeNA)の中越え二塁打で一塁から長駆生還。さらに一死二塁から真砂が中前に弾き返し乙坂をホームに迎え入れると、二死満塁からは柿沼友哉(ロッテ)に2点適時打が飛び出しこの回一挙8得点。斎藤監督も試合後「バッター全員が、つないでいこうという意識が出ていました。」と言うように打者13人を送り込む猛攻で早々に試合を決めた。

長い攻撃で間が空くと安樂は3回に3点を失うが、直後に打線が山下幸輝(DeNA)の適時打などで3点を取り返し、4回にも加点。セーフティリードには十分過ぎる2桁の点差をつけると安樂もリズムを取り戻し、チャイニーズ・タイペイ打線を手玉に取る。3回を除けば許した安打は1本だけ。6回3失点で8奪三振、余力を残してマウンドを降りた。それでも試合後の安樂は「監督が自分の事を(投手陣の)中心でと言ってくれているので、もっとピシャット抑えたかった。」とエースとしての気構えを忘れなかった。最後は永谷暢章(JR東日本)が3奪三振で締めて試合終了となった。

これで日本は2連勝スタート。1番・武田が、三塁打が出ればサイクル安打達成という活躍で打線を引っ張れば、4番の真砂は4安打4打点。打線全体でも17安打で15得点を挙げ快勝。次戦のアルゼンチン戦に向けて弾みがついた。