10月15日、東京六大学野球秋季リーグの第6週1日目が行われ、第1試合では中盤に打線がつながった慶大が、明大に6対3で逆転勝ちを収めた。

逆転打を含む5打点の萩尾は3号3ランを放ち、打球の行方を見つめた

　首位・明大と2位・慶大、ともに勝ち点3同士の直接対決となった一戦。慶大は先発・増居翔太（4年・彦根東）が初回こそ失点を許したが、以降は4回まで3人で攻撃を終わらせる投球を続けるなど立ち直り、追加点は許さない。

　好投を続ける増居を援護したい攻撃陣は3回、2死無走者から満塁と広げたチャンスに4番・萩尾匡也（4年・文徳）が三振に倒れ、続く4回も1死二塁と同点の好機を作るも後続が倒れて無得点。明大先発・蒔田稔（3年・九州学院）の粘りのピッチングを前にあと一本が出ずに試合は中盤を迎えた。

　そして5回、慶大は増居の放ったゴロがセカンドへの内野安打となり、下山悠介（4年・慶應）のヒットで2死一、二塁とすると、萩尾の2点タイムリー二塁打で逆転に成功。さらに2死一、二塁とチャンスを広げ、古川智也（4年・広島新庄）のタイムリーで追加点を奪う。

　6回には2死一、二塁の場面で萩尾が3ランを放ち、6対1と大きくリードを広げた。

　投げては増居が味方の好守などもあり、ピンチを招いても要所を抑える粘りのピッチングを披露。8回に2ランを打たれて降板したが、2番手の橋本達弥（4年・長田）が無失点の好救援でリードを守り切り、慶大が先勝した。

中4日の登板となった増居は、8回途中9安打ながら3失点の粘投で5勝目を挙げた

　一方、ここまで6勝負けなしで、早ければ今週中に優勝が決まる明大は初回、2死無走者から宗山塁（2年・広陵）が二塁打で出塁。続く上田希由翔（3年・愛産大三河）がライトフェンス直撃のタイムリー三塁打を放って先制する。

　しかし2回以降はチャンスこそ作るもあと一本が出ない展開。8回に宗山の2ランで2点を返し、9回も先頭打者がヒットで出塁するも、この試合2つ目の牽制死で生かせず。10安打を放ったものの及ばず、今季初黒星を喫した。

　試合後、田中武宏監督は初回を振り返り、「4番の後、5番、6番ですよね。ここで切れるケースが非常に多い」と話し、守備陣に関しても「取れるアウトを取っておかないと」と苦言を呈した。だが「『さあ、次は俺だ』と準備する選手もいると思いますし、まず明日の戦いぶりを見たいですね」と前を向いた。

2ランを含む3安打と奮闘した宗山

■明治大vs慶應義塾大1回戦
明大 100 000 020=3
慶大 000 033 00X=6
【明】●蒔田、渡部慎、藤江、菱川、髙山－蓑尾
【慶】○増居、橋本達－宮崎
本塁打：慶應義塾大・萩尾《6回3ラン》、明治大・宗山《8回2ラン》

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「点差は3点ありますが、本当に厳しい試合でした。終盤以降、何とか打線がつながってくれました。前半、なかなか点を取れなかったことも後半に追い上げられたこともあるんですけど、結果として選手が攻める気持ちでプレーしてくれたと思います。明治さんは春の優勝チームなので、明日もチャレンジャー精神でぶつかっていきたいと思います」

◎慶應義塾大・増居翔太（4年・彦根東）
「（先制を許し）やってしまったという気持ちもあったんですけど、1点だったのでここからしっかり投げれば試合はまだわからないので、すぐ切り替えて投げられたかなと思います。（明日について）今日、打たれたことは反省して、修正できるところは修正して臨みたいと思います」

◎慶應義塾大・萩尾匡也（4年・文徳）
「1打席目、2打席目と同郷の後輩に抑えられていたので、やり返したいなという気持ちで3打席目に入りました。増居が粘ってくれている中でなかなか援護できなかったので、ここで１点でも取ってやりたいなと思っていました。（前の打席に）カーブを振らされたので、イメージは真っすぐを待ってカーブに反応する気持ちだったので、思った通りにできたかなと思います。今日の勝ちは忘れて、明日の一戦に集中していきたいと思います」