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高校野球

目標は西武・中村剛也 人間的魅力もある右の大砲候補 内藤鵬(日本航空石川高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】

内藤鵬(ないとう・ほう)
●守備 内野手 ●身長・体重 180cm・100kg
●生年月日 2004年10月5日 ●所属 日本航空石川高
●球歴 千鳥丘中(東山クラブ)→日本航空石川高
●出身地 愛知県 ●投打 右右
【写真提供:共同通信】

 キャラクターの濃い選手だ。

 鵬という名前は中国の伝説の鳥だという。両親が中国籍で中国語で会話をするのだという。体重100キロの巨漢で背筋力200キロ。スイングスピード160キロはプロの選手にも劣らない。高校通算53本塁打を記録してきた。

 最近ではわりと珍しい軟式野球チームの出身。名の知れた選手だったので、全国の高校から声がかかったそうだ。

 内藤は日本航空石川の中村監督に「将来の夢はプロ野球選手です」というと監督は「絶対に夢をかなえさせてやる」と答えたとか。

 1年夏の選抜交流戦はベンチ外だった。

 1年生の秋の新チームから4番・サード。北信越大会2試合で安打を量産し5安打5打点。その冬に下半身を使うスイングを徹底的に練習したという。

 2年春の県大会5試合で星稜、小松大谷戦を含む大会新記録の5発を放ち、うち4発で場外弾を披露した。

 2年生の夏県大会も好調。3番で14打数7安打2ホームランを記録。

 2年秋の新チームから主将を担うも、星稜に敗れ県8強止まり。

 3年の夏の県大会は小松大谷に2対4で敗れ4強まで。自身は3打数ヒットなし。2三振。甲子園に出ることはできなかった。

 その悔しさを晴らす場がプロになる。

 長打力は言うに及ばず、内藤は確実性も備えている。
「遠くに飛ばす子は今までもいました。内藤は飛ばせて打率も残せる」
頭からの軸がぶれない安定感があるから、と監督は言う。トップが浅いが体の近くにグリップがあって、回転が効いたスイングになっている。ボールを呼び込んで自分のタイミングも持っている。

 キャプテンをやりたい、という意思があったという。求心力、明るさを監督は買っている。好かれていて人が寄ってくるタイプなのだそうだ。
そしてチ―ム一練習量も多いから、他のメンバーがついていく。テングになることもなく、周囲に気配りができる。人間的にも申し分ない。

 これまで巨人の中田翔選手の打撃を理想にしてきたが、この夏、体格も似ている西武の中村剛也選手に目標を変更したそうだ。
「プレースタイルが自分に似ているなと感じました。しっかりと強く振りながら力まない。インパクトで力を入れることを心がけています」

 スカウトも中村に似てると言う。
「中村剛也(西武)のように柔らかく、遠くに飛ばせるスイングができるので楽しみな強打者です。この柔らかさがあれば、多少の課題があっても目をつぶりたくなります。守備はプロで練習していけばうまくなりますから」

 また別のスカウトはまじめで練習熱心なところを褒める。
「長打力はプロでも通用する。高校生であれだけ飛ばせる打者はなかなかいない。よく練習する選手なので、まだまだ成長が望めますよ」