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高校野球

3割30本塁打30盗塁がターゲット 巨人が1位指名公表の将来の主軸候補 浅野翔吾(高松商高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】

浅野翔吾(あさの・しょうご)
●守備 外野手 ●身長・体重 171cm・86kg
●生年月日 2004年11月24日 ●所属 高松商高
●球歴 屋島中→高松商高
●出身地 香川県 ●投打 右両
【写真提供:共同通信】

 まさしく異例。早々に巨人が1位指名を発表し、1位での競合はほぼ、確定したと言っていい。それだけ今年の中では評価が高く、高校生野手のナンバーワンに異論はない。

 9月のWBSCU-18ベースボールワールドカップで木製バットでホームランを放った。高校通算68本目だった。ちなみに練習では木製バットを使用している。

 ホームランを打つ技術を持っている。本人の証言がある。
 今年の夏。佐久長聖戦で右中間に打ち込んだホームランは「こすった後にもう一度、押し込んだ」という。逆風が吹く甲子園の右中間方向のスタンドに運ぶ長打は一枚上のレベルの技術が必要になる。次の打席では高めストレートを今度はレフトに弾丸ライナーで突き刺した。

 そして、誰もが楽しんだのが準々決勝、近江戦での山田との対戦だったのではないか。
「山田投手と捕手が顔を見合わせてニヤッとしたので、ストレートで来るだろうと読んでいた」
 これは有名な話になった。観察眼とデータを読み解く力だ。146キロのストレートをライナーでセンターバックスクリーンにまで運ぶ高校生バッターはめったにいない。

 走力と打力はすぐにでもプロで通用する。
 高校時代同様に1番か、トレンドの2番最強バッターでの起用も面白い。最近、例えに出されているのが、スイッチヒッターでもある西武やメジャーで活躍した松井稼頭央(現ヘッドコーチ)だ。

50m5秒9で走る俊足も武器。今夏のU-18のオーストラリア戦の初回。1番バッターとしてヒットで出塁すると、バントで二塁へ。送球を受けた一塁手がもたつく間に3進。悪送球がかさなりホームも陥れた。

 あるスカウトはファールの打球で素質に惚れ込んだという。
「滞空時間の長いファウルもすでにプロレベル。あれで甲子園全体が引きつけられた。そういうエンターテインメント性もプロとしては重要な評価のポイント」

 スイングスピードが速いので、ボールを引き付けることができる。リストが柔らかいので、変化球にも対応できる。横浜DeNAの牧、中日の平田、千葉ロッテ監督の井口、アストロズのホセ・アルトゥーベらが引き合いに出されている。
 
 将来的にはチームの顔としてクリーンアップも打てる。さらに「3割、30ホームラン、30盗塁のトリプルスリーを狙える」と未来を想像したい。