- 社会人野球
2021.12.01 23:32
新生・三菱重工Westが森翔平、八木彬のドラフト指名投手リレーで初戦突破。高卒2年目捕手・拾尾昌哉の好リードも光る【都市対抗野球大会】
2021年12月1日、東京ドームで第92回都市対抗野球大会の4日目が行われた。2年ぶり37回目の出場となった三菱重工West(神戸市・高砂市)は三菱自動車倉敷オーシャンズ(倉敷市)と対戦し、2対1と競り勝ち初戦突破を果たした。
2021年1月から三菱重工は各地にあった4チーム(広島、神戸・高砂、名古屋、横浜)を東西2チームに再編・統合。三菱重工Eastは前日の1回戦で1対2と惜敗したが、三菱重工Westとして新たなスタートを切った中での初陣を飾った。
先発のマウンドに上がったのは広島からドラフト2位指名を受けた左腕・森翔平。2回に2安打を浴び、捕手・拾尾昌哉のパスボールで先制を許したが、森は「しょうがないと切り替えました」と落ち着いて後続を抑え、最少失点に留めた。
すると打線は3回、先頭の8番・拾尾がチーム初安打を放つと、その後犠打や安打で二死二、三塁のチャンスを作る。このチャンスに3番・福永裕基(日本新薬からの補強選手)がセンター前に運ぶ2点タイムリーを放って逆転に成功。ベンチとスタンドは大いに沸いた。
4回には先頭打者を四球で歩かせてしまった森と拾尾のバッテリーだが、ここで小田幸平ヘッドコーチ(来季から中日二軍バッテリーコーチ)がマウンドへ。「やってきたことを出すだけだと言われました」と拾尾が振り返るように、ここも落ち着いて後続を抑えた。
以降、森は8回まで3安打1失点の好投で相手打線に反撃を許さず。「生命線」と話す右打者のインコースを突くストレートも冴えた。
また、山口敏弘監督が「マウンドでの立ち振る舞いや対応の仕方など精神面が強くなりました」と語るように、このユニフォームを着て戦う最後の大会の初戦で成長した姿を見せつけた。
さらに9回はロッテから5位指名を受けた右腕・八木彬が登板。150キロ前後のストレートと変化球を織り混ぜ、危なげなく3人で抑えて試合を締めた。
山口監督は継投による1失点での勝利に対し「拾尾が相手の打者をよく見たナイスリードをしてくれました」と称賛。「高卒2年目と若いので吸収が早い。小田コーチの指導を1から10まで吸収している」と話す成長株が、序盤のミスに沈むことなく、攻撃では反撃の口火を切り、守っては堂々と能力の高い投手たちを引っ張った。
若手選手たちの躍動によって掴んだ勝利はチームに大きな推進力をもたらすだろう。日本一を目指す上で幸先の良いスタートなった。
■第92回都市対抗野球大会1回戦
三菱自動車倉敷オーシャンズ 010000000=1
三菱重工West 00200000X=2
【倉】●彦坂、廣畑-本木、森
【W】◯森、八木-拾尾
◎三菱重工West・山口敏弘監督
「久々に応援団や社員の皆さんの前で野球ができてパワーをもらいました。これからもチーム一丸となって戦っていきます」
◎三菱重工West・森翔平
「粘り強く投球ができ、なおかつ勝つことができて良かったです。ストライクゾーンが広く感じたので、そこに強い球を投げ込むようにしました。一戦一戦大事に戦い、1つずつ勝って優勝したいです」
文・写真=高木遊