2021年10月24日、東京六大学野球秋季リーグの第6週2日目が行われた。第2試合は優勝に向けて後が無い明大が9回2アウトから主将の丸山和郁（4年・前橋育英／ヤクルト２位指名）が逆転サヨナラ安打を放って5対4で立大に勝利。優勝争いに踏みとどまった。

サヨナラ打を確信して右の拳を突き上げる丸山

　打った瞬間、丸山はベンチに向けて右の拳を突き上げた。負ければ優勝が消滅するという大一番で主将が大仕事を成し遂げた。

明大は初回に4点を許す苦しい立ち上がりとなったが、その裏に4番・上田希由翔（2年・愛産大三河）がタイムリーを放つなど1点ずつ着実に返し、投手陣も２番手以降の西城愁太（4年・東北学院）と村田賢一（2年・春日部共栄）が無失点で救援し、1点ビハインドで9回表を迎えた。

　そして下位打線が繋がり、二死二、三塁で丸山を迎えた。丸山は前打者が三振に終わり「そういう巡り合わせかなと思いました」と小さく息を吐いてからベンチに目をやり、仲間たちの声を感じて打席に向かった。

　狙いはストレート。だが甘く入ったスライダーに体が反応した。「打った瞬間、センターの頭を超えると思いました」とサヨナラ打を確信し、一塁ベースを回ると、グッと喜びを噛み締めた。
　
　これで勝ち点5（4勝2敗2分け）とした明大は、26日から行われる法大との２連戦で連勝して優勝に望みを残し、早慶戦の結果を待ちたいところだ。ひとつずつ勝つしかない状況だが丸山は「明治と言ったら粘りと根性。気持ちを前面に出して戦いたいです」と気持ちを引き締め、喜びの興奮を抑えながら次戦に目を向けていた。

サヨナラ打を決めて一斉にベンチから飛び出す明大の選手たち

■立教大vs明治大2回戦
立大 400 000 000=4
明大 100 101 002x=5
【立】荘司、島田、池田陽、●宮-黒岩
【明】藤江、西城、○村田-蓑尾

◎明大・田中武宏監督
「1回裏にすぐ1点を返せたので、コツコツと返していける雰囲気がありました。昨日もそうでしたが4年生が勝たせてくれました。それだけの修行をしてきたということでしょう」

◎立大・溝口智成監督
「優勝争いになってから3敗1分けですから力が無かったということです。（サヨナラの場面）一塁が空いていたので四球OKの投球をと思っていましたが、初球にされてはいけない当たりの打球を打たれてしまいました」

◎立大・太田英毅主将（4年・智辯学園）
「今年は3年生以下が多く出ていましたが、来年はまた別の戦いだと思うので、良かった面を引き継いで後輩たちには優勝して欲しいです。（個人としては）4年間なかなか結果が出せず、まだまだだと思います。（社会人野球に向けて）毎日上手くなれるよう練習していきたいです」

最後は宮海士（3年・國學院栃木）に繋ぐ必勝パターンの継投だったが、あとアウト1つが遠かった立大

文・写真＝高木遊