- 大学野球
2021.10.11 12:00
大阪桐蔭でセンバツ優勝、甲子園7勝。神宮でもがきながら成長続ける本格派右腕 徳山壮磨(早稲田大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】
運命のドラフト会議を超速報!今年はSportsBullでLIVE配信をお届けいたします。
最速151キロの伸びのあるストレートに、キレのあるスライダーなどの変化球も光る本格派右腕。大阪桐蔭高時代の3年春にエースとしてセンバツ甲子園優勝を果たしたエース右腕が、紆余曲折の4年間を経てドラフト指名を待っている。
高校時代の実績は抜群だ。2年春に初めて甲子園の土を踏むと、3年春には全5試合39イニングに登板し全ての試合で勝利投手になる大活躍で5年ぶりの優勝に導いた。最後の夏も甲子園で2勝。登板の無かった仙台育英戦で敗れて春夏連覇はならなかったが、名門のエースにふさわしい堂々とした投球で甲子園のファンを沸かせた。また、侍ジャパンU-18代表にも選出されW杯で3試合に登板し2勝を挙げた。
早稲田大でもリリーフとして1年春から登板したが、秋に右肩を痛めて離脱。それでもリハビリとトレーニングで2年春に復帰すると、秋には先発として3勝を挙げるとともに早慶戦では自己最速となる151キロを計測するなどして復活した。3年春もベストナインに輝いた。
しかし、3年秋と4年春はそれぞれ防御率が4点台、3点台と期待に応えられずにいる。
4年秋も初戦の立教大戦では、7回10安打5失点で敗戦投手に。「この日のためにとやってきたのに申し訳ないです。持ち味であるストレートを磨いてきたのに悔しい気持ちです」と悔しそうに振り返った。
それでも小宮山悟監督は「抑えられない理由を探さないといけない」としながらも「ボール自体は春に比べて見違えるように良くなっていました」と評価し、スカウトもまた「ストレートがベース上で生きています(伸びています)。スライダーもキュッと曲がる」と、投球の質には高い評価をしていた。
今後を見据える上では「試合を作る勘が良いので先発タイプ」と話すスカウトもいれば「短いイニングでグイグイと抑える方が向いている」と話す野球関係者もおり、あらゆる形での活躍が期待できそうだ。
そして何よりも大阪桐蔭、早稲田大と超名門校のエースとして培った精神力と経験は、誰よりも勝るところ。次なるステージでも大きな武器になることだろう。
文・写真=高木遊