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高校野球

高校通算70本塁打!巨人・岡本級の大砲期待 有薗 直樹(千葉学芸高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】

有薗 直樹 (ありぞの・なおき)
●守備 三塁手・外野手●身長・体重 185cm・95kg
●生年月日2003年5月21日●所属 千葉学芸高
●球歴 旭第二中(佐倉シニア)→千葉学芸高
●出身地 千葉県●投打 右右

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 今年の夏の直前の練習試合、関係者を驚かせた。平凡な内野フライだったが、滞空時間は6秒、見ていたあるスカウトがうなったそうだ。
「高校生であんな打球を打つのか。そうとう速いスイングスピードだと思う」

 同じころの大学生との練習試合でも、相手エースからバックスクリーン横にライナーでホームランを叩き込んでもいる。それが通算70本目。場外にも消えそうな特大弾だった。

 70本は今年の中では屈指の本数になる。春から夏に25本を積み上げた。

 小学6年生の時に千葉ロッテジュニアでプレーしたが、最初はブルペンキャッチャーだった。

 中学では名門の佐倉シニアに所属。1学年上の西川僚祐(現千葉ロッテ)の打棒に驚いたとか。

 千葉学芸へ誘った高倉伸介監督は「まだ、無名のうちによくぞ、来てくれた」と感激したという。

 高校では春から4番・右翼手としてメンバーに入り、初戦・拓大紅陵戦で左中間へのタイムリー二塁打を放つ。それ以来、主に4番を務めてきた。

 夏は1年生で4番レフトでデビュー。3回戦・我孫子戦で右中間二塁打と中堅三塁打。さらに5回戦・市原中央は敗戦もZOZOマリンスタジアムの左翼スタンドに叩き込むソロアーチを放っている。

 1年秋の新チームからサード。2回戦・麗沢戦で左越えの満塁弾を記録した。

 2年の夏の県大会途中からライトに戻り、秋の県大会で背番号1をつける。ポジションは主に4番・ライトで5割、1本塁打を記録した。

 ただ、専大松戸に延長16回のタイブレークで7対6で惜敗。8強止まりだった。

 3年春から再びサード。センバツ帰りの専大松戸を破って初優勝を果たし千葉学芸の新しい歴史を作った。

 そして優勝候補の一角として3年夏の県大会に挑んだが千葉黎明に4回戦で敗れた。「4番・ライト」でタイブレークに持ち込んだが甲子園出場は果たせなかった。

 外の球に対して、しっかり右手で押し込めるバッターだ。

 そして、いろんなポジションをこなしてきた。強肩でとくにサード守備での一塁送球は圧巻。今後、どこに落ち着くのかも、楽しみだ。

 また、ケガに強いこともプロ向き。腕へのデッドボールが跳ね返って目に当たり、腫れていたが次の試合に出場したという逸話がある。

 高倉監督が感心するのは気持ちのもちよう。後輩にも守備のアドバイスをもらうことをいとわない謙虚さがあるという。

 クリーンアップを打てる素材だ。在京セ・リーグのスカウトが言う。
「スイングスピードが速くて、右の大砲で飛ばせる選手は多くない。力だけではなくて柔らかくて器用。軸がぶれずに強いスイングができている。遅いボールを引きつけて右中間に打ち返していた」

 4番・サードという黄金ポジションが近未来に訪れるのか。

「詰まったかな、という打球がフェンス越えになるようなバッター。今、球界は右の強打者は少ないので、こんな野手をほんとに待望している。将来的に西武の山川、巨人の岡本のようになる」
在京パ・リーグスカウトが期待を込める。