- 高校野球
2021.10.04 15:30
中3で150キロ!注目され続けたほんとの実力派 森木大智(高知高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】
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中学3年生、軟式ボールで150キロを出して、名前が全国に知れ渡った。ここからプロ野球スカウトの森木詣が活発になる。
「この時期に1年生を見に来ることはないけど、1度見てみたかった。フォームも含めて悪いところが見つからない。伸びしろは十分で2年後が楽しみ」
「1年生でこれだけ投げられたら申し分ない。バランスがいい。3年生になったら末恐ろしい」
「まだまだ先がある選手。静かに見守りたい。そっとしておきましょう」
1年生になりたての頃、こんなコメントがスポーツ紙に並んだ。
しかし遡ると、野球を始めたての頃はキャッチャーだったという。小学5年生の森木少年を見た高知の濱口佳久監督は、いずれはピッチャーで、と直感したという。以後、中高と6年間、指導することになる。
「高い目標を持って貪欲に野球に取り組むところがなによりの長所」と指揮官はいう。そう、メンタルが強いのだ。
高知中3年で春夏優勝。高校では1年春からベンチに入って、夏の県大会ではエースに。決勝で明徳義塾に敗れた。直後の8月にヒジのケガを発症してしまう。
主戦に戻ったのが2年秋。県大会決勝・明徳戦では151キロを計測した。3年春に県大会と四国大会を制した。ただ、先発ではなくてリリーフが多かったが26イニング、被安打14。28奪三振、防御率0.34の快投だった。
明徳には県大会で破れ、四国大会で雪辱した。
総決算、夏の県大会。決勝で明徳に8回3失点で敗北。結局、甲子園には出られなかった。
「思い通りに行かない3年間だった」と本人は悔やんだ。
また、高校でスピードがどこまで伸びるか、という興味がもたれた。
「硬式球は力の伝え方が難しかった」という。3年春の四国大会で154キロを出した。ここが高校での最速になっている。
それでももちろん、将来はローテーションピッチャーになる素質は十分すぎるほどに備わる。在阪パ・リーグスカウトが言う。
「手元まで伸びて球威のある球が来る。真っすぐとわかっていても打者は差し込まれて打てない。小園君が柔ならこっちは剛。カーブが良くなって、投球の幅が広がっている」
欲しい球団は、とにかく1位で指名するしかない状況だ。
「ストレートの平均は147キロ。無駄な力が入っていないから、ベース上でも球が伸びる。彼を1位に推さなかったら担当じゃない」
ここまでスカウトに言わせる投手は多くないだろう。
リリースポイントがやや低めで、もっと角度がつけばさらに打ちづらくなりそうだ。
変化球はスライダー、カット、スプリット、チェンジアップ。カーブが、一番自信があるという。
甲子園に縁がなかったため、〝リアル森木〟に触れたファンが多くない。全国区デビューする日が、やっと来る。
(文=清水岳志)