9月26日、東京六大学野球秋季リーグの第2週2日目が行われ、第2試合では慶大と明大が対戦し、2対2で9回終了。前日に続いて2試合連続の引き分け決着となった。

9回2死走者なしから代打・北村が同点弾を放って2対2の引き分けとなった。

　前日に4対4と一歩も譲らない好ゲームを見せた両者。春秋連覇を目指す慶大は、増居翔太（3年・彦根東）、対する明大は1年生の藤江星河（1年・大阪桐蔭）が先発。序盤3回は、ともにチャンスを作りながらも両先発左腕が踏ん張って無得点のまま中盤に突入した。

　試合が動いたのは4回。慶大が1死から5番・下山悠介（3年・慶應）が2塁打を放つと、2死2塁から7番・古川智也（3年・広島新庄）がタイムリー2塁打を放って1点を先制。しかし明大がその裏、2番・村松開人（3年・静岡）のヒットから2死1、2塁として6番・宗山塁（1年・広陵）がライトへ同点タイムリー。さらに1、3塁から7番・山田陸人（3年・桐光学園）がレフトへ弾き返し、2対1と逆転に成功した。

4回裏、明大の山田が逆転タイムリーを放ち、力強いガッツポーズを見せた。

　1点をリードした明大は、5回途中から2番手・村田賢一（2年・春日部共栄）がマウンドに上がり、気迫のこもったピッチングを展開。6回、7回、8回と無失点に抑えると、9回も2死を奪って走者なし。勝利まで「あと一人」となった。

　ここで慶大・堀井哲也監督は、北村謙介（3年・東筑）を代打に送る。ホームランについて、「高校時代は公式戦で1本、大学では練習試合で1本」と語る北村だったが、カウント1-1からの3球目、インコースの落ちる球を強振すると「打った瞬間、僕の中での最高の当たり」と打球はグングンと伸びてライトスタンドへ着弾。北村のリーグ戦通算8打席目で飛び出したリーグ戦初安打が、チームを救う起死回生の一発となった。

　試合はそのまま2対2で終了。前日に続く2試合連続引き分けに「気持ち的には乗っていける引き分け」と慶大・堀井監督。対する明大・田中監督も、悔しさを覗かせながらも「クヨクヨしている奴は一人もいない。自信にしていきたい」と前を向いた。

あと一人の場面で被弾してマウンド上でしゃがみ込む明大・村田。2戦連続ドローに、田中監督は「決着を付けないといけない」と語った。

■慶應義塾大vs明治大2回戦
慶大 000 100 001=2
明大 000 200 000=2
【慶】増居、森田、渡部淳、橋本達－福井
【明】藤江、村田、蒔田－蓑尾
本塁打：慶大・北村《9回ソロ》

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「よく打った。そのひと言に尽きますね。よく打ってくれました。最初から（9回の）3人目に代打で、ランナーがいる時といない時の2パターンをイメージしておいてくれと言っていたが、まさかあんな結果になるとは思わなかった。向こうのピッチャーが気合のピッチングでなかなか点が奪えない中で最後に追いついて、うちにとっては非常に大きな引き分けだったと思います」

◎慶應義塾大・北村謙介（3年・東筑）
「打った瞬間、僕の中での最高の当たりでした。興奮して体が震えました。普段はバットの芯に当てることを意識していて、自分が一番飛ぶコースにたまたまボールが来た。一番好きなコースだった」

◎明治大・田中武宏監督
「（村田は）よく投げてくれた。怪我明けであれだけ投げられたのは収穫だったと思います。試合が終わった瞬間、お互い勝ち続けたらまたやるんだろうなと思いました。決着を付けないとダメですね。（2試合連続引き分けに）クヨクヨしている奴は一人もいない。自信にしていきたい」

◎明治大・村田賢一（2年・春日部共栄）
「春は怪我で投げられなかった。緊張しましたけど落ち着いて自分のピッチングをしようと心がけた。（9回の被弾の場面は）外で攻めてのインコース。一発はないようにと思っていたんですけど、2アウトでしたし、カウントを有利にしたいという気持ちがあって少し高さが甘かった」