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2021.09.25 17:27
慶大・正木が“進化”の先制打も明大が終盤に反撃!白熱のシーソーゲームは両者譲らず4対4の引き分け!【9/25 秋季東京六大学野球 明治大学vs慶應義塾大学】
9月25日、東京六大学野球秋季リーグの第2週1日目が行われ、第1試合では明大と慶大が対戦し、白熱の攻防戦の末に9回終了、4対4の引き分け決着となった。
春秋連覇へ向けて開幕週で東大を相手に危なげなく2連勝を飾った慶大と今週が秋の開幕戦となる明大の対戦。慶大は今春3勝(0敗、防御率1.57)を挙げたエース右腕・森田晃介(4年・慶應)、明大も今春3勝(1敗、防御率2.89)の右腕・竹田祐(4年・履正社)が先発マウンドに上った。
先制したのは慶大。1回裏、先頭の渡部遼人(4年・桐光学園)のバントヒットから1死三塁とし、今秋のドラフト上位候補の4番・正木智也(4年・慶應)が、真ん中高めのストレートを力強いスイングで弾き返し、あわやホームランというセンターフェンス直撃のタイムリー三塁打。「春までだったらファウルになっていた。(春の自分の打撃から)変える勇気を持って夏の練習に取り組んだ。その成果が出せた」と進化した主砲の一打で先制点を奪った。
その後、3回表に明大が村松開人(3年・静岡)のタイムリー三塁打で同点に追い付いついたが、直後の3回裏に慶大が再び1番・渡部のヒットからチャンスを作り、2死二、三塁から5番・下山悠介(3年・慶應)がレフトへ2点タイムリー。慶大が序盤で2点のリードを奪って試合の主導権を握った。
中盤は、森田、竹田の両先発が好投を続けてスコアに動きなし。だが7回表、明大がこの日がデビュー戦となった5番・杉崎成(1年・東海大菅生)の二塁打の後、7番・山田陸人(3年・桐光学園)のタイムリー適時打で1点返すと、さらに2死一、三塁から1番・陶山勇軌(4年・常総学院)が一、二塁間を破って同点。続く8回表には2死満塁から8番・蓑尾海斗(3年・日南学園)が勝ち越しタイムリーを放ち、明大が逆転に成功した。
しかしその裏、慶大が3四死球で無死満塁のチャンス。ここで救援した明大の3番手・蒔田稔(2年・九州学院)が力投を見せて2アウトを奪ったが、最後は暴投で3塁走者がホームイン。9回はともに得点を奪えず、4対4のままゲームセットとなった。
慶大の先発・森田は6回1/3を6安打3失点、明大の竹田も6回を6安打3失点でともに勝敗つかず。ヒット数は明大の9本に対して、慶大は6本。試合後、両チームの監督、選手が「よく追いついた」と胸を撫で下ろすと同時に、「勝ち切れなかった」と悔しさを噛み締めるゲームとなった。
■明治大vs慶應義塾大1回戦
明大 001 000 210=4
慶大 102 000 010=4
【明】竹田、髙橋、蒔田-蓑尾
【慶】森田、橋本達、生井、渡部淳-福井
◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「よく追いついたとも言えますし、もうひと押しだったとも言えます。いい試合だったと思います。(東大戦で1安打のみだった正木には)リラックスしていけ。気持ちを楽にしていこうよと。技術的なことよりもメンタル面でのアドバイスはしました」
◎慶應義塾大・正木智也(4年・慶應)
「よく引き分けに持ち込めたと思いますけど、勝てた試合でもあったので、しっかりと反省した明日の試合に臨みたい。(初回の先制打は)感触は良かった。夏の取り組みの成果が出せた。(前週の)東大戦の最後に1本ヒットが出たので気持ち的に楽になった。とにかく力まないように、焦らないようにということを心がけた。(9回2死の打席でのセンターフライは)甘い球ではあったんですけど、ボールの下を叩いてしまった。明日、同じ球が来たら打てるようにしたい。(ドラフト会議は)頭にないと言ったら嘘になりますけど、まずは明日どう勝つかということを考えてプレーしたい」
◎明治大・田中武宏監督
「普段起きることがないミスが起きた。そういうミスがあったにしては、よく追いついて、追い越したと思う。(8回無死満塁のピンチで救援した)蒔田はよかった。スピードガン以上にボールの圧がある。ここに来て急成長してきた。力強さにかけた。お互いですが、明日は勝ちたい」
◎明治大・竹田祐(4年・履正社)
「自分がああいう形(初回に先制失点)で入ってしまって、チームのみんなに申し訳ないと思います。力が入って、ボールが中に入ったところを打たれてしまった。(ドラフト会議のことは)考えていない。今日、とにかく勝ちたかった。勝ち切れなかったのが悔しい」
◎明治大・丸山和郁(4年・前橋育英)
「勝ち切れなかった。自分たちのミスで勝ちを逃したのは反省。初回の先制打も捕らないといけなかった。1つ1つのプレーの積み重ねを明日以降に繋げていきたい」