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2021.05.01 17:48
早大・徳山が4安打完封劇!蛭間&岩本のタイムリーで法大を下す【5/1 春季東京六大学野球 法政大学vs早稲田大学】
5月1日、東京六大学野球春季リーグの第4週1日目が行われ、第1試合では、早大が2対0で法大に完封勝ちを収めた。
無観客の神宮球場。ともに4試合を終えて1勝2敗1分の勝点1.5同士の4位対決。法大は、4月10日の開幕戦で“ノーヒット・ノーワン”を達成したエース・三浦銀二(4年・福岡大大濠)が今季3度目の登板。対する早大は、徳山壮磨(4年・大阪桐蔭)が今季4度目(先発は3度目)の登板。4年生右腕同士の投げ合いで試合が始まった。
両投手とも無難な立ち上がり。早大・徳山は、1回表に2死から3番・齊藤大輝(3年・横浜)に2塁打を許すも後続を抑えて無得点。2回、3回と1安打ずつ、4回には先頭打者への四球で走者を背負ったが、集中力を途切らせることなく、連打を許さずに5回まで3安打無失点ピッチング。対する法大・三浦は、初回から2三振を奪って三者凡退スタートを切った後、2回にヒットと盗塁で2死二塁、4回には暴投と悪送球で1死二塁、5回には四球と盗塁で無死二塁と得点圏に走者を背負ったが、勝負所を抑えて5回まで1安打無失点に抑えた。
緊迫の展開が続いた中、試合が動いたのは6回裏だった。早大がこの回先頭の1番・鈴木萌斗(4年・作新学院)が右中間を破る3塁打を放つと、1死後に「徳山さんが頑張っていて、打席に入る前も徳山さんと目が合って、徳山さんのために1本打とうと思った」という3番・蛭間拓哉(3年・浦和学院)が、2球で2ストライクと追い込まれながらもフルカウントまで粘り、最後は内角低めのストレートをセンター前へ弾き返して1点を先制。さらに8回裏には、2死2塁から4番・岩本久重(4年・大阪桐蔭)が右中間を破るタイムリー2塁打を放って、リードを2点に広げた。
「今日は気持ちで投げた」と徳山。エース番号を背負った今春、4月10日の東大戦での7回3失点の後、同24日の立大戦で3回8安打4四球6失点と炎上し、「自分の思うような投球ができていなくて、チームに相当、迷惑をかけてしまった」と反省の弁。だが、翌25日に「(小宮山)監督からとにかく全力で腕を振って投げろと言われた」とリリーフ登板して1イニングをピシャリと抑え、「あの試合が今日に繋がった」と手応え。この日も、技術的な面では「まだまだ」と課題を残すも、「何が何でも勝つ」と序盤から気迫のピッチングで尻上がりに調子を上げ、リードを手にした後の8回に四球と犠打で2死二塁のピンチを背負うも、1番・諸橋駿(4年・中京大中京)を右中間へのセンターフライ。9回には無死一塁も、自らの牽制でアウト。9回118球を投げて4安打2四球無失点で、最後までスコアボードにゼロを並べた。
敗れた法大は、三浦が8回を132球、計12奪三振の力投も、5安打2失点で負け投手に。三浦自身は「2点を取られたというのは自分の力不足。(6回の蛭間に対しても)投げ切れなかった。力不足です」と繰り返したが、重症なのはこの日も含めて今春5試合で6得点の打線。「リーグ戦が始まる前から乱打戦の試合は予想してはいなかったが、あまりにも打線が湿っている」と加藤監督。打線の奮起を求めていた。
■法政大vs早稲田大
法大 000 000 000=0
早大 000 001 01X=2
【法】●三浦-舟生、大柿
【早】○徳山-岩本
◎早稲田大・小宮山悟監督
「試合前、(優勝のためには)ひとつも落とせないので『残り全部勝つぞ』と。『トーナメントのつもりで臨め』と言った。徳山は点を取られていないので満点をあげたいが、まだできていない部分がある。そこの部分がしっかりとクリアできればと思う。それだけの能力を持っているピッチャーなので、残り試合を投げて行く中でエースとしての働きをしっかりと全うしてくれるだろうと思っています。」
◎早稲田大・徳山壮磨(4年・大阪桐蔭)
「この春、自分の思うような投球ができていなくて、チームに相当、迷惑をかけてしまったので、今日は一人一人という意識を持って、その積み重ねで勝てた。上と下とのバランスが合ってなくて、自分の持ち味である低めに伸びるストレートがシュート回転してしまっていた。でも今日は技術的なことよりも気持ちで投げた。今日は何が何でも勝つんだという気持ちで投げて、結果的に勝つ投球ができたのでよかった。今日はいいボールもあったけど、悪いボールもあった。次はそこを修正してマウンドに上がりたい。明日以降も一人一人集中して、ゼロを積み重ねて行きたい。」
◎法政大・加藤重雄監督
「ピッチャーを中心に守ることはできているのですが、思った以上にバッティングの繋がりが悪くて点が取れない。この2週間、調整してきたつもりが、繋がらない。2点以上を取れた試合がないので、それが今の結果に繋がっている。(好投した三浦には)監督として謝らないといけない。残り試合を全部勝つつもりで行きたい」
◎法政大・三浦銀二(4年・福岡大大濠)
「野手が打てないなら、引き分けまで持って行くのが自分の仕事。2点を取られたというのは自分の力不足。次は1点もやらないようにしたい。(6回、蛭間に先制打を打たれた場面は)1打席にチェンジアップで空振り三振していたので、その残像が残ってくれていたらと思った。投げ切れなかった。その前のインコースへ投げた2球のどちらかで決めたかった」