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プロ野球

【今週のJERA セ・リーグ】
「連続無失点球団新記録」「2本塁打8打点」「週間打率.800」セ・リーグの週間トップ3は誰だ!?(10/19〜25)

今季6度目の完封で10勝目を挙げ、連続無失点記録を45イニングに伸ばした中日・大野。投げる度に沢村賞へ推す声も高まってきている

【写真提供=共同通信】今季6度目の完封で10勝目を挙げ、連続無失点記録を45イニングに伸ばした中日・大野。投げる度に沢村賞へ推す声も高まってきている

<現在の順位&先週の成績>
①巨人:2勝3敗1分け
②中日:5勝1敗
③阪神:3勝3敗1分け
④DeNA:2勝4敗
⑤広島:3勝3敗
⑥ヤクルト:2勝3敗2分け

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<1位>
大野雄大(中日)

【週間成績】登板1試合、9回6安打9奪三振無失点、防御率0.00

 球場を完全に支配した。10月22日のDeNA戦(ナゴヤドーム)のマウンドに上ると、初回から快調なピッチングを展開。1回裏に味方打線に1点の援護をもらうと、2回、3回と2三振ずつを奪って三者。4回、5回と先頭打者にヒットを許したが、ともに次打者を低めに落ちる球で狙い通りの投手ゴロ併殺打。6回、7回と再び2イニング連続の三者凡退でスコアボードに「0」を並べると、8回にこの日唯一のピンチと言える2死2、3塁のピンチを背負ったが、代打・楠本を空振り三振に仕留めて渾身のガッツポーズ。9回には1死から神里の強烈なピッチャー返しを振り向きざまの背面キャッチでグラブに収める美技も披露し、大きな拍手に包まれた中、最後まで集中力を切らすことなく、自身5年ぶりの2ケタ勝利を今季6度目の完封劇で飾った。

 これで大野は、9月15日の広島戦の初回に失点したのを最後に、同30日の阪神戦、10月7日のヤクルト戦、同14日の阪神戦、そしてこの日の9イニングを合わせて45イニング連続無失点で球団記録を更新。「(連続イニング無失点の記録は)投げる前から分かっていました」と大野。他の投手では、9回4安打1失点の森下暢仁(広島)、9回6安打2失点の秋山拓巳(阪神)のピッチングも評価したいが、大記録を意識した中で完封劇を演じた32歳の左腕のパフォーマンスは、その中でも随一だった。

<2位>
ビシエド(中日)

【週間成績】出場6試合、打率.375(24打数9安打)、2本塁打、8打点

 先週も5勝1敗と白星を先行させた“今最も強い”中日。「投」の立役者がエース・大野であれば、「打」のMVPはビシエドだ。20日のDeNA戦(ナゴヤドーム)でタイムリー2本を含む3安打を放って勝利に貢献すると、翌21日は1点ビハインドの7回裏にエスコバーのストレートを叩いてレフトスタンドへ放り込む逆転の16号3ラン。これが自身NPB通算100号のメモリアルアーチとなった。さらに23日からのヤクルト3連戦(神宮)でも、第1戦、第2戦と1安打ずつを記録すると、25日の第3戦ではバックスクリーン弾を含む3安打を放って勝利に貢献。先週の6試合でリーグトップの8打点をマークした。

 これでビシエドは今季通算打点を82とし、村上宗隆(ヤクルト)の80打点、岡本和真(巨人)の81打点を抜いて打点王争いのトップに立った。他の中日の打者では、阿部寿樹が週間打率.423(26打数11安打)2本塁打5打点の好成績を残したが、印象度でビシエドが上。10月の21試合を16勝5敗の勝率.762と絶好調のチームの中で、4番として力強く打線を引っ張っている。

<3位>原口文仁(阪神)

【週間成績】出場4試合、打率.800(5打数4安打)、1本塁打、6打点

 月曜日からの7試合で3勝3敗1分けだった阪神の中で、“必死のパッチ”こと原口が存在感を見せた。

 まずは広島3連戦(甲子園)。10月20日の第1戦では9回無死1塁から代打で登場し、8回まで1安打投球を続けてきた先発・九里からセンター前ヒット。さらに22日の第3戦、7回2死1、2塁の場面に代打で打席に立つと、今度は左腕・塹江の初球スライダーをひと振りで捉え、逆風の中、低い弾道でレフトスタンドへ突き刺す今季3号の3ランを放った。続く巨人3連戦(東京ドーム)でも活躍は続き、23日の第1戦では代打で登場した6回の場面はファーストフライに倒れたが、8回1死1、2塁で回ってきたこの日の2打席目で左腕・今村の初球フォークを弾き返してセンターへの2点タイムリー2塁打。そして24日の第2戦では、1対1の同点で迎えた7回2死1、2塁の場面で代打に立ち、菅野の2球目のストレートを捉えてセンター前へ値千金の勝ち越しタイムリーを放った。

 試合後のヒーローインタビューで「いい場面で1本打てて良かったですし、ファンの方がたくさん喜んでくれたので何よりです。ひと振りで仕留められて良かったです。前半戦はなかなか調子が上がらない中で、なかなかチームに貢献できていなかったので、今、こうやって少しずつ結果が出てうれしい」と笑顔を見せた原口。「出たところで結果を出すことがチームのためになる」と語った必殺仕事人に、改めて賛辞を送りたい。

※成績はすべて10月25日終了時点