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高校時代は指名漏れ 4年越しのプロ入りを熱望する長身右腕 打田雷樹(大阪学院大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】

打田雷樹(うった・らいき)
●守備 投手 ●身長・体重 187cm・88kg
●生年月日 1998年10月8日 ●所属 大阪学院大
●球歴 日本航空石川高→大阪学院大 ●出身地 奈良県 ●投打 右右

 身長187㎝の長身から最速147㎞/hのストレートを投げ込む本格派右腕。リーチの長さを活かした直球には球速以上の威力を感じさせる。

 日本航空石川高時代から県内では評判の好投手だった。プロ志望届を提出したが、惜しくも指名漏れ。地元の奈良県生駒市から通える大阪学院大に進学し、プロ入りへの再チャレンジを誓った。

 1年春からリーグ戦で登板機会を得ると、秋には4勝を挙げて平古場賞(新人賞)を獲得。早くからリーグでも有数の好投手となった。

 しかし、昨年に就任した米澤秀典監督は打田の取り組みにまだ物足りなさを感じていた。実際に本人も「先輩がいて甘えていた部分があった」と振り返る。

 かつて大阪学院大で通算21勝を挙げる大エースだった指揮官に奮起を促されると、エース、上級生としての自覚が芽生えた。3年春には13試合中10試合に登板して、6勝を挙げる活躍でベストナインを獲得。大黒柱として充実したシーズンを過ごした。

 今春にコロナ禍で全体練習ができなかった時期には1日5合の米を平らげて、体重を6㎏増やした。「最初は重かったんですけど、慣れてから力の伝わり方が違うと感じました」と増量の効果を実感。自粛期間も実りのあるものにすることができた。

 実家暮らしの打田にとって、それだけの食事を用意してくれる家族は大きな支えとなっている。だからこそ、プロに行って恩返しをしたいという気持ちが強い。

「小さい頃から両親のおかげで野球をやらせてもらってきたので、プロに行って活躍するのが親孝行だと思います。肩が潰れてでも野球で恩返しをしたいです」

 進路をプロ一本に決めて挑んだ最後のシーズン。2回目の先発となった9月19日には大阪商業大から初めて勝ち星を挙げると、翌週の大阪経済大戦では2失点完投で、関西六大学リーグでは24人目となる通算20勝を達成した。

 米澤監督の通算勝利数まであと1勝に迫り、「俺を抜かせ」と発破をかけられたが、そこから調子が上がらず、3度の先発機会でいずれも勝利を挙げることはできなかった。それでも通算20勝という偉業が評価され、特別賞を受賞。一つの勲章を手にして大学野球生活を終えた。

 ラストシーズンで思うようにアピールできなかったが、既に調査書が届いている球団もある。高校時代は支配下指名でなければ進学という意向を示していたが、今は「育成でも行きたいです」と腹をくくっている。4年前のリベンジを果たし、お世話になった両親を喜ばせるつもりだ。

文・写真=馬場遼