- 社会人野球
2020.10.26 11:00
指名漏れから2年。堂々のドラ1候補へと成長した 栗林良吏(トヨタ自動車)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 社会人編】
2年前のドラフト会議ではプロ志望届けを提出していたものの、その名前を呼ばれることはなかった。しかし社会人野球の舞台でさらに腕を上げ、堂々のドラフト1位候補として戻ってきた。トヨタ自動車の栗林良吏である。
名城大時代は1年春から5勝を挙げる活躍を見せ、4年間で4度のベストナインを受賞した。3年時には日本代表にも選ばれ、日米野球とユニバーシアードに出場し計4試合に登板した実績もある。4年秋には絶対的エースとしてチームを牽引。最優秀防御率選手賞とベストナインに輝く活躍で、チームを25季ぶりのリーグ優勝にも導いた。
トヨタ自動車でも1年目から栗林は先発の軸としてフル回転する。都市対抗野球、日本選手権の2大大会では合計4試合で先発し24.2回を投げ、防御率0.73と圧倒的な成績を残した。
とくに11月の日本選手権では初戦のマツゲン戦で完封勝利。つづく三菱日立パワーシステムズ戦では6回無失点と15回を投げ無失点だった。さらには22個の三振を奪っており、改めてその名を轟かせた。
このように先発完投できるスタミナを持ち合わせている栗林だが、中継ぎの適性もある。
昨冬、社会人選抜として参戦したアジアウインターリーグでは6試合に中継ぎ登板。1勝4セーブ、防御率0.63と圧倒し、胴上げ投手にもなっている。また14.1回を投げ25奪三振と奪三振率は15.7と圧巻の数字を残している。三振を多く奪えること、そして先発と中継ぎどちらの役割でも対応できることは、大きな強みになるはずだ。
新型コロナウイルスの影響でと調整が難しかったであろう今年も、昨年からの勢いは衰えていない。この秋は都市対抗野球の予選2試合に先発し、16回を投げわずか1失点、16奪三振と結果を残した。
過去、トヨタ自動車からは金子弌大(日本ハム)や吉見一起(中日)といったリーグを代表するエース投手を輩出してきた。しかし、ここ数年は先発として実績を残した選手は不在。
150キロを超えるストレートにカットボール、フォーク、カーブなどの変化球を操る本格派右腕が、先発型投手としてプロの世界で勝負を挑む。