- 高校野球
2020.10.21 16:32
高校通算50発 花咲から6年連続プロを狙う 井上朋也(花咲徳栄高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】
高校通算50号を8月の浦和学院との練習試合で放った。対外試合の少なかった今年、特筆に値する本数だ。
あるスカウトが言う。
「ボールを上からつぶすような感じ。インパクトが強いので、打球音が違う」
それから甲子園の交流試合。大分商との2校だけの開会式を行ってから開幕戦を戦った。ドラフト候補の川瀬投手と対戦したが、2四球を選んだが4打席ヒットなし。最後の舞台で力を示せなかったけれど評価は下がらない。
中学時代に所属した生駒ボーイズで、中3夏は4番・中堅でジャイアンツ杯16強入り。ボーイズ日本代表として世界大会優勝を果たしている。関西地区の十数校から勧誘があったというが関東へ。
岩井隆監督は、「いつもフルスイング。なんだ、この選手は」と驚いたそうだ。
高校1年春の県大会から公式戦に。2ホームランを放ってデビューした。関東大会でも7番・ライトで出場。専大松戸戦で右越えの2ランを放つ。この時に「80本くらいを目指してやっていきたいです」と本人は話している。
横浜との練習試合で及川雅貴(当時2年、現阪神)から、左翼へ高校通算9本目の特大弾を放った。
そして夏の県大会初戦で2安打。岩井監督も「打席での集中力が凄い。今までこんな選手はまずいなかった」というほど、〝本番〟に強さを発揮する。
当時、プロに注目されていた4番・野村(現日本ハム)は「僕より全然上」と話している。
3年生と間違えた、というスカウトもいたほど。
「2学年先輩の野村と比べても、遜色なかった。打球を飛ばす能力は上だと思った」
甲子園初戦の鳴門戦の8回、1点のリードを許した場面で、2者を返す逆転のツーベース。3安打2打点と活躍した。
2年春の大会から4番。夏の甲子園2回戦で明石商の中森と対戦し、ライト前にヒットを放っている。
打席での集中力があって初動打が目立つ。好投手と言われる投手からもプロ向きの選手だ。
時間があると素振りをする、という野球小僧だ。3年では主将も務めた。ネクストバッターズサークルで投手を観察してタイミングを取っている姿勢は他の選手の手本になるだろう。
岩井監督によれば「野村はボールをバットに乗せるタイプで井上はボールにバットをぶつけるタイプ」だという。
スカウトは柔らかさをもっているという。
「右打ちで大砲候補は多くない。しかも内野手は価値がある。2位までには消える。(1位指名の)12人に入ってくる可能性もある」
外野からサードにコンバートされて、問題なくこなしていけるだろう。
井上がドラフトされれば花咲徳栄からは6年連続でプロ選手が誕生することになる。