- 高校野球
2020.10.20 18:04
T-岡田、山田哲人を継ぐ 王者・履正社の不動のレギュラー 小深田大地(履正社高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】
高校生野手では5本の指に入るだろう。令和元年、夏のチャンピオン3番。小深田なくして履正社の初優勝はなかっただろう。その球歴を紐解いていく。
1年夏から一桁背番号をつける。「1年から出たのはT-岡田(オリックス)と山田哲人(ヤクルト)くらい」と岡田龍生監督が証言している。それだけの素質を早い段階で見せつけていた。夏にはサードのレギュラー。
大阪桐蔭が根尾、藤原らで春夏連覇した時の大阪大会・準決勝。履正社は最終盤までリードした。結果的には4対6で破れるのだが、5番・サードで起用され根尾投手から2安打を放つ。7回は外の変化球を捉え左翼フェンス直撃のツーベースを奪った。
1年秋はクリーンアップ。大阪大会準々決勝・東海大仰星戦で右翼席にサヨナラ満塁アーチ。同決勝の大阪桐蔭戦(5対2)でライトスタンド場外まで飛ばす特大2ランを放った。
2年のセンバツ、チームは星稜に完封負けを喫したが、奥川から強烈なライト前ヒットを放ってみせた。
夏の甲子園では、6試合に3番・サードとして出場し9本の安打を放つ活躍。智弁和歌山の中森から2安打。ただ長打は二塁打1本のみ、打点も1だった。個人的には悔しさが残った、という。
そして秋は打ちまくる。公式戦で20本のヒットのうち9本が長打。近畿大会でも準々決勝の京都翔英戦ではコールド勝ちになるサヨナラホームラン。
そして今年の独自大会。21打数11安打。特に宿敵・大阪桐蔭戦は左右に6打数4安打した。
「大阪桐蔭の左の好投手から全部、広角に打てている」とスカウトがコメントしている。
岡田監督は「いいバッターは一発で仕留めるぞ」とアドバイス。集中力を高めた結果が夏に実った。
フォームは自然体で力を抜いた大きな構え。動きが小さく無駄なく力強いスイングだ。 スイングスピードが速く、ボールを芯でとらえる力が別格で、昨年秋の公式戦は11試合で三振もわずかに二つだった。自身は対応力を磨いてきたという。
サードの守備も高校生ではトップレベル。一歩目の反応の良さ、グラブさばきも巧みだ。高校の先輩、同じサードの安田尚憲(ロッテ)と比べても、守備力は上と評価される。
バッティング技術は、高校生ではトップとあるスカウトは言う。
「そう簡単に打ち取れないバッターでしょう。バットコントロールがいいから、追い込まれてからもバットに当てている。初球からでもストライクゾーンに来た狙った球を仕留められる。ヒットにする確率が5割ぐらい。飛距離もある。おしてオーラもある」
吉田正尚(オリックス)、森友哉(西武)のバッティングが理想と本人は言う。高校通算35ホームラン。
レギュラーを取ったら、10年は〝強打のサード〟の看板を張れるはずだ。