- 高校野球
2020.10.20 14:48
甲子園で逆転満塁弾 打者で勝負、鈴木誠也が目標 元謙太(中京学院大中京高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】
昨夏の甲子園、ベスト4まで勝ち上がった。「ミラクル中京」は終盤に逆転するゲームが続いた。
元謙太は熱いものを持ってる。そしとスター性。高校の先輩、松田(ソフトバンク)を継ぐのはこのポテンシャルの塊だろうか。
去年、2年生の準々決勝、作新学院戦では7番で出場。八回にレフトへの逆転満塁ホームランが強烈だった。
「詰まったんですが、飛んでくれました。バッターボックスの後ろに立つことで、少しでも長く球を見ようとしてました」。球速の伸びを感じたので打つポイントを修正したという。その咄嗟の観察力、センスはプレーヤーとして大事な能力だ。
今年の岐阜県独自大会、背番号1をつけて、マウンドに上がれば140キロを投げて、優勝は成らなかったが準優勝。去年より球速が7,8キロ速くなったという。
そして打っても打率6割2分5厘、3ホームラン。広い長良川球場の芝生席に叩き込んでいて、打球が清原和博(元西武など)のよう、と表現もされる。
昨秋の県大会2回戦、自らの押し出し死球でサヨナラ負けを喫した。また夏の独自大会決勝も2点のリードを守れず、同点ホームランをゆるした。10回6失点と満足のいくものではなかった。そんなこともあってか、将来は打者一本で勝負と決めている。昨年は主にレフト。ファースト、サードもやったが今年は中学でやっていたショートに戻った。華のある大型内野手を目指す。
小学校6年でドラゴンズジュニアに選ばれた。中学のシニアでは首脳陣に「ドラフト3位でプロに行ける」と言われたそうだ。体を大きく、とにかく食べたという。
中京の橋本監督が素質に惚れ込み、何度も勧誘に出向いたそうだ。1年生で背番号18でベンチ入りしている。
昨秋、食事を増やし、筋力トレーニングを重ね、さらに体を大きくした。
「この1年で体重が10キロくらい増え、70~80パーセントくらいの力でも打球が飛んでいく」ミートすれば打球が飛んでいくという。高校通算14本だが芯でとらえた時の飛距離がある。そして遠投は100m、50mを5秒9で走る。
バッティングフォームは長身でゆったりと大きいので懐が深い。トップに行くまでの動きも小さく、バットはヘッドが投手方向に傾いたりせず、無理がないのでスムーズに動く。足の運びもすり足気味で動きが小さく軸がぶれない。
あるスカウトは言う。
「体幹が強いから、ツボにはまれば飛ぶ。巨人の坂本と岡本を足して2で割ったような選手」
身体能力が高く、半端ないスケール感。数年後には内野の要。貴重な右の大砲候補でクリーンアップを打っているだろう。本人の憧れは鈴木誠也だ。