西野力矢（にしの　りきや）
●守備 三塁手　●身長・体重181cm・95kg
●生年月日2002年9月11日●所属 大阪桐蔭高
●球歴 南大阪ベースボールクラブ●出身地 和歌山県●投打 右右
【写真提供=共同通信】

　大阪桐蔭のクリーンアップ、西野、仲三河、船曳の3人は特異な年にあっても、例年と変わらず、強力だった。センバツと夏の選手権が行われたら、ものすごい豪打を見せてくれたかもしれない。そのうちの西野と仲三河の長距離砲がプロ志望届を提出した。

　さて、西野。飛距離と打球速度を評価されてきた。ずっしり、どっしりとした体格は先輩、中村剛也（西武）に似ている。中学3年間で35ホームランを記録してきた。
大阪桐蔭入学当時から体重は100キロ弱。だが、桐蔭の練習がハードで12キロやせたというから、そうとう、鍛えられたはずだ。

　二つ上の根尾、藤原の代が春夏連覇をしたとき、夏の甲子園ではボールボーイを経験した。

　それから1ケ月後、秋の大会は1年生ながら3番を任され、初戦に満塁ホームランを含む2ホームランを放って、デビューする。大阪大会は8試合で33打数18安打3本塁打18打点と打ちまくった。2年秋の府大会も打率.538を残している。

　1年秋の大会で46打席で三振が2つ。長距離打者には珍しくバットコントロールの技術が高い。しぶとさがあり、内角球には体を上手に回転させてバットとボールを当てる巧みさがある。またリーチが長いので外のボールにも対応して遠心力を生かす。

守備もファースト、サードのコンバートを繰り返し、そつなくこなしてきた。サッカーのリフティングやバレーボールも上手いという。高い身体能力はいろんな場面で役立ちそうだ。

　2年秋の近畿大会、準決勝。明石商の中森から外角高めの球をライトへ同点3ラン。決勝でも天理に破れたもののソロホームランを放って一矢をむくいた。大舞台で結果を残せるタイプだ。

　3年夏の独自大会で1ホームランを追加して高校通算30ホームランに乗せた。

　最後の東海大相模との交流戦の大一番は併殺打と三振に終わったが、合同練習会はさく越えを放っている。

　左足を開いて、ややオープンに構えるのが特徴。そのまま左足はあげたり、すり足にしたり、試している。

「天性の長打力が魅力。打球の角度、速度があの飛距離に繋がっている。加えて、どんなボールにも対応できて、逆らわずに広角に打てる」
とスカウトは評価する。

　将来の目標は先輩の中田翔だそうだ。和歌山にいた子供の頃、地元の紀三井寺球場で中田翔の大ホームランを目撃して衝撃を受けた。合同練習会の後にも「中田翔選手のようになりたい」ときっぱり。メディアとのやり取りは心地いい。人気が出そうなキャラクターだ。