- 高校野球
2020.10.19 13:00
キャッチャーかショートか 打っても35ホームランのセンスの塊 内山壮真(星稜高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】
昨年の奥川(ヤクルト)、山瀬(巨人)に続いて星稜が送り出す今年のドラフト候補は内山主将だ。
昨年までは遊撃手、最高学年になって捕手にコンバートされた。両方のポジションとも、高い評価を受けている。
星稜中では軟式日本一、侍ジャパンU-15代表に選ばれていて、高校でも1年春からショートのレギュラーに就いた。1年の夏、甲子園では開幕ゲーム、タイムリー2塁打を放った。
そして1年秋からは4番に座る。2年の夏はエース奥川の活躍で準優勝するが、自身も6試合で10安打を放って貢献した。準々決勝の仙台育英戦では2本塁打を放っている。
世代屈指の好打者に名を連ねる。ボールを引き付けて左右に打ち分けられる。右ヒジを抜く技術も上手い。2歳から小学校5年まで空手を習っていて下半身が強い。体幹も鍛えられていて、左足を早くに上げて右足に体重を乗せても安定してタイミングを取れる。
172センチと大柄ではないが柔軟性があり、高校通算34ホームランの記録を残してきた。
「広角に打てる技術を持っている。狙って逆方向にも打てる技術がある。しっかり振ることを意識しているのが伝わってくる。軸がぶれない。小柄ですけど大きな力に加えて器用さも魅力」
バッティングはこんな評価をスカウトからもらっている。
星稜中では捕手だった。1学年上に山瀬がいたのでショートで起用された。ただ、林監督が全国でもトップクラスの捕手、と証言する。
「ショートよりキャッチャーの方が適性があると思っています。内山が高校に入学した最初の頃から、キャッチャーだ、と言っていました。山瀬がいたのでショートをやっていました。山瀬ほどの肩ではないですが、捕ってからの速さとコントロールで十分補えている。山瀬もそうですが、星稜の歴史の中でも10年に一人の捕手です」
二塁送球1.8秒を記録して十分に合格点だ。キャッチングも上手いし、インサイドワークも過不足ない。周囲の変化を察知する能力も長けて、状況判断にも優れている。
本人もゲームを支配するのはバッテリー。勝敗に関わるので、緊張感があってやりがいがある、と捕手の魅力を語っている。
「二塁送球も速い。捕手として評価しているが、遊撃手としても楽しみな素材だと思う」
というスカウトのコメントがあるように、センスがあるので三塁や二塁、他のポジションもこなせそうだ。
ピンチを抑えた時もホームランを打った時も感情を表に出さない。その姿はチームに落ち着きをもたらす。
「心と体の芯の強さが魅力。小柄ですけどプレーを見ているとブレない精神面も感じて、チームに大きな力をもたらしている」
あるスカウトの最高の誉め言葉だ。