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スローガンを体現した下川知弥の決勝弾でNTT東日本が36年ぶり2回目の優勝!【都市対抗野球】

★不振の下川が最後に大仕事

第88回都市対抗野球大会決勝戦
NTT東日本10-4日本通運(2017年7月25日・東京ドーム)

優勝に歓喜するNTT東日本の選手たちと応援席

 第88回都市対抗野球大会の決勝戦が7月25日に東京ドームで行われ、NTT東日本(東京都)が電電東京時代の第52回大会(1981年)以来、36年ぶり2回目の優勝を飾った。

今季、チームスローガンに掲げた「ATTACK&CHALLENGE 本気2017」。それを体現したかのような一打が、駒澤大から入社3年目の下川知弥内野手が放った決勝3ランだった。

 初回から点を穫り合うシーソーゲームで同点のまま迎えた中盤の7回。2死一、二塁の場面で下川が打席に立つと、日本通運・阿部良亮投手の甘く入ったフォークを振り抜くと、打球はバックスクリーン左横に飛び込む決勝3ラン。一塁側内外野を埋め尽くしたNTT東日本応援席を熱狂の渦に包んだ。
 
 下川は大会通して1番を任されながらも準決勝まで17打数3安打と不振だったが、ベテランの北道貢外野手らが「次打てば大丈夫だから」と、どんな打席でも次の挑戦を促す声を掛けてくれたという。そして、打てない中でも試行錯誤し目指した「センター方向への強い打球」が最高の形となって表れた。
 下川は「ホームランはたまたま」と謙遜しながらも、「あの方向に打てたことが成長だと思います」と白い歯を見せた。

NTT東日本(東京都) 021010303=10
日本通運(さいたま市)103000000=4
【N】大竹、野口、渡邉—上田
【通】高山、庄治、阿部、生田目—木南
本塁打:NTT東日本・越前(2回2ラン)、伊藤(3回ソロ)、加藤(5回ソロ)下川(7回3ラン)

3点を勝ち越した7回から登板し無失点で試合締めたドラフト候補右腕の渡邉啓太。「緊張しましたが楽しめました」と臆することなくキレの良いボールを投げ込んだ

★主な表彰選手

【橋戸賞】(最優秀選手賞)
福田周平内野手 NTT東日本(東京都)
【久慈賞】(敢闘賞)
北川利生内野手日本通運(さいたま市)
【若獅子賞】
高橋俊外野手、堀誠投手 NTT東日本(東京都)、小室湧未内野手 JR東日本(東京都)
【首位打者賞】
福田周平内野手 NTT東日本(東京都)
【打撃賞】
喜納淳弥内野手 NTT東日本(東京都)
【小野賞】
阿部良亮投手 日本通運(さいたま市)

文・写真=高木遊