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2019WBSC プレミア12開催球場の今を紹介 ~台湾の洲際棒球場(インターコンチネンタル・スタジアム)~【WORLD BASEBALL vol.28】

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 この秋のプレミア12は、4か国6球場で開催される。今回からは、侍ジャパンがオープニングラウンドを戦う台湾の2球場を紹介していく。

洲際棒球場のシンボルであるスタンド上にかかるアーチ。このアーチは硬球の縫い目をかたどっている。

【洲際棒球場のシンボルであるスタンド上にかかるアーチ。このアーチは硬球の縫い目をかたどっている。】

 台湾の野球場と言えば、1990年のプロリーグ(CPBL)発足当初は、日本の統治時代の昭和の香りが残る古ぼけたものが主流だったが、世紀が変わる頃になると、次々と新しいものができていった。台湾中部の都市、台中郊外にある洲際棒球場もそのひとつである。

 2006年秋に開催されたWBSCの前身、IBAF主催の国際大会、インターコンチネンタル杯の会場として開場したこの球場は、その名の通り国際大会に耐えうるクオリティを誇り、収容人数2万人の球場としては台湾最大級となる。

 野球の盛んな台中には市街のはずれ、台湾体育大学内に1935年建造の台中省立棒球場(現・教育部体育署台中棒球場)があり、プロ野球発足時にはこちらが使用されていた。

 1993年からは興農ブルズ(現・富邦ガーディアンズ)が、1997年に第2のプロリーグ、台湾メジャーリーグ(TML)が発足すると、同リーグの台中金剛がこの球場をフランチャイズとし、一時期は、台湾でもっとも忙しい球場として知られていた。

 2003年シーズンを前にCPBLとTMLが合併すると、台中金剛は嘉南勇士と合併し、誠泰太陽となり台北郊外の新荘に去っていったが、興農は洲際棒球場開場後も、2012年シーズン後の義大への身売りまで、交通の便の良い台中球場をもっぱら使用した。

 そういう事情もあり、洲際棒球場は台湾の野球ファンにとっては、国際試合の行われる台湾ナショナルチームのホームという印象が強かった。

 インターコンチネンタル杯は、会場の2006年に続き2010年大会もここを主会場とし、北京五輪予選を兼ねたアジア野球選手権(2007年)、北京五輪世界最終予選(2008年)などプロを含めたトップチームが参加する主要国際大会でも使用された。

 WBCでは、2013年の第3回大会で初めて使用され、前回プレミア12においては、台湾が第1ステージの主会場となり、国内各球場とともに会場となった。

 2014年からは、名門球団、中信兄弟がここを本拠とし、プロ野球の本拠地としてもおなじみになっている。

かつて行われていたアジア太平洋のプロリーグのチャンピオンシップであるアジアシリーズにおいても、2011年、2013年大会で使用された。

【かつて行われていたアジア太平洋のプロリーグのチャンピオンシップであるアジアシリーズにおいても、2011年、2013年大会で使用された。】

 台中市街から市バスで約40分という郊外にあるため、球場全体が広々とした印象がある。通りからは、スタンドを囲む形でかかっているアーチが印象的だ。その二層式のスタンドは傾斜が緩やかでスタジアム全体がゆったりしているため、快適な観戦が期待できる。

 この秋のプレミア12では、台湾でのオープニングラウンドB組の6試合中4試合がここで開催、侍ジャパンはこのラウンドで3試合を予定しているが、その最終戦の台湾戦がここで組まれている。

二層式の内野スタンドは日本の球場と比べても遜色ない大きさである。

【二層式の内野スタンドは日本の球場と比べても遜色ない大きさである。】

文・写真=阿佐智