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全国4強と侍合宿で固めた決意。走攻守で存在感を見せる大型捕手 古間木大登(東農大北海道オホーツク2年)【Future Heroes vol.44】

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 今春にチーム史上最高成績となる全日本大学野球選手権4強入りを果たした東京農業大学北海道オホーツクキャンパス。そのチームで走攻守三拍子揃う2年生捕手として存在感を示したのが古間木大登だ。爽やかなルックスに強い決意を秘めてさらなる高みを目指している。

古間木大登(ふるまき・たいと)・・・1999年10月10日生まれ。北海道北見市出身。北見グリーンジャガーズ(軟式)→高栄中(軟式)→遠軽高→東農大北海道オホーツク2年。182cm84kg。右投左打。捕手。

 生まれは網走市にある大学のキャンパスから約50kmの北見市。今も趣味の海釣りなど恵まれた自然とともに育った。

 小学6年から「他にやる人がいなかったから」と捕手を始めた。中学時代は全道大会出場は叶わず無名の存在。どこからも誘いは無く、遠軽高は2013年春に21世紀枠で甲子園出場を果たしていたことや、父の転勤で通学範囲となったこともあり進んだ。2年秋の全道大会4強まで進んだが、最後の夏は北北海道大会で初戦敗退した。

 それでも徐々に道内を中心としてその能力の高さが知られるようになっており、東農大北海道オホーツク・樋越勉前監督(現東農大※世田谷キャンパス監督)から声をかけられ同大に進んだ。

 1年春から指名打者や代打で起用され始めると、今春から正捕手に。「沖縄キャンプから使ってもらっているうちにリーグ戦に入って…もう目の前のことに必死でしたね」と振り返る。

 チームは開幕戦からいきなり連敗。前年に春秋とも全国大会出場を逃していただけに不安になってもおかしくなかったが「失点が少なく試合内容は悪くなかったですし、主将の田辺(直輝)さんと副将の(松本)大吾さんを中心に“打つしかないんだ”と切り替えることができました」と、そこから怒涛の8連勝。プレーオフも制して全日本大学野球選手権出場を果たした。

 待ちに待った自身初の全国大会。学生野球の聖地・神宮球場は「階段を上がって球場に入った瞬間“うぉー、凄いな”“こんなところで野球できるんだな”と思いました」と昂ぶった。
そしてその高揚感をプレーでも良い方向に生かし、初戦で決勝打を含む5打数3安打3打点の大活躍。その後も華麗な二塁送球で盗塁を刺すなど攻守で存在感を示した。準決勝の明治大戦では優勝した明治大に1対5で敗れたが、その活躍により侍ジャパン大学代表選考合宿にも招集された。

 そこでは後にドラフト指名される佐藤都志也(東洋大/ロッテ2位)から配球、海野隆司(東海大/ソフトバンク2位)から二塁送球時の足の使い方、郡司裕也(慶應義塾大/中日4位)からは打撃を学ぶなど、貪欲に吸収。
冬にも同合宿に選出されるなど飛躍の1年となり「やるからにはプロや社会人でプレーしたいとハッキリと思いました」と決意は固まった。

「来年は春秋の全国大会に出ることはもちろん、ベスト4で悔しい思いをしたので全国制覇をしたいです。その中で自分も試合に出続けて、結果残していきたいです」

 捕手の中で光る俊足もあり、まだまだ伸びしろは十分。充実の1年で得た多くの収穫に強い決意も加え、2020年は日本一の頂をどん欲に狙う。

文・写真=高木遊