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2019.06.24 15:11
「一生謙虚」高い志が己とチームを突き動かす元侍ジャパンU-15代表戦士 近藤大樹(西日本短大附高3年)【Future Heroes Vol.18】
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野球選手としては小柄な身長170cmの体格ながら中学時代は侍ジャパンU-15代表に選出され、走攻守三拍子が揃うとともにひたむきな姿勢が一目置かれている近藤大樹。この夏絶対譲れない2つの目標に向けて、闘志を燃やしている。
及川雅貴(横浜)や宮城大弥(興南)らとともに戦った侍ジャパンU-15代表では、内野守備の要である遊撃手と1番打者を務めて福島県いわき市で開催されたU-15W杯の準優勝に貢献。特にその好守は大会を主催するWBSC(世界野球ソフトボール連盟)の公式SNSでも取り上げられたほどだった。
そんな輝かしい実績も「もう忘れました。過去は過去。もっと高い目標があります」と入学以降、甲子園出場と高卒でのプロ入りを掲げて、一心不乱に取り組んできた。1年生からレギュラーとなり、「失敗を重ねてきたからこそ、今がある」とも言う。
2年時は3番を任されて力んでしまったことを反省し、昨秋から主将を任された際には「すべて自分だけでやらないように」と同級生の力も上手く借りた。そしてチーム一丸となって力を合わせ、今春の九州大会では優勝を飾った。
「(失敗して)“次は違うやり方をしよう”ということを繰り返してきたことで正解が分かってきました」
高校生とは思えない落ち着いた言葉が熱を持って続くのが印象的だ。指導する西村慎太郎監督も「1人だけ大人が混じってプレーしているよう。人としてもしっかりしているから、“応援される子”です」と評している。またチームにとっても「彼がいることでチームが落ち着きます。またその取り組みによってチームの“基準”が高くなっています」と話す。
近藤の存在がもう1人のドラフト候補である強肩強打の捕手・神宮隆太も大きな刺激を受けており、「一番上手な2人が必死なんだから周りもついていきますよね」と、チーム全体への好影響に目を細めている。
夏に向けて近藤に慢心は一切ない。
「もうひと皮剥けて(他校を)跳ね返せるだけの力をつけないといけません。とにかく甲子園に出たいので、チームの先頭を走って引っ張っていきたいです」
好きな言葉は両親からの教えという「一生謙虚」。「どんな時も支えてくれます。全員めっちゃ好きなんです」という家族への恩返しの気持ちも強い。
幼い頃から抱き続けてきた2つの目標を果たすべく、真摯に向き合うプレーとその言葉は多くの人の心を動かすことだろう。それが、夢舞台で叶うことを願ってやまない。
文・写真=高木遊