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初の首位打者獲得!好球必打と好守で38年ぶりの選手権制覇へ 添田真海(明治大4年)【Future Heroes vol.15】

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 東京六大学春季リーグ最終戦となる早慶戦3回戦までもつれた首位打者争いは、前週に打率.400を残して首位に立っていた明治大の添田真海が獲得。なかなかレギュラー獲得に至らなかった男が攻守にわたる活躍を遂げて5季ぶり40回目の優勝に大きく貢献した。

添田真海(そえだ・まなみ)・・・1997年6月19日。栃木県日光市生まれ。栃木下野リトルシニア(硬式)→作新学院→明治大4年。

添田真海(そえだ・まなみ)・・・1997年6月19日。栃木県日光市生まれ。栃木下野リトルシニア(硬式)→作新学院→明治大4年。

 待ちに待った吉報が届いた。早慶戦の結果次第ということで「気にしないようにと」思いつつ「自分の方が有利かな」と考えていたという添田。

 自らの最終カードは優勝のかかっていた法大戦とあって「打率は気にせず打席に立てました」と1・2回戦で3安打を打った。さらに優勝を決めた翌日の3回戦も3打数3安打の固め打ち。打率4割に到達した最終打席はさすがに「気になりました」と笑うが、結果は死球。大台に乗せた状態で結果を待つことになった。

 栃木下野リトルシニア時代は15U日本代表に選出され、作新学院時代も3年続けて甲子園に出場するなど順風満帆な歩みを進めてきたが、全国から有望選手が集まる明治大ではなかなかレギュラーを掴めなかった。

 2年秋に規定打席不足ながら26打席21打数11安打と打率.524を記録。これにより「意識するようになりました」という首位打者のタイトルだが、3年春は打率.182と低迷。3年秋は主に1番・左翼手で多く出場し打率.313を記録したが、規定打席に4打席届かない39打席にとどまった。

 その悔しさを糧に今季は好球必打を心がけた。これまでは器用さゆえに「何でも手を出すことが多かった」と振り返るが、今季は“ヒットにできる球”を見極めて打つように意識。それに加えて「速い球でも自分のスイングをして強く打ち返せるように」と振り込んできた。

 そして今春に二塁手や遊撃手としてレギュラーを掴み、1番打者として多く出塁を果たした。安打だけでなく四死球も12試合で11個を選び、1試合通して出塁が無かったのは1試合のみという高い出塁率で躍進を続けるチームを牽引した。また守備でもわずか1失策と森下暢仁を中心とする投手陣を支えた。

 6月 10日に開幕する全日本大学野球選手権(明治大の初戦は2日目)に向けては警戒が強まることも予想される。だが添田は「やることは変わりありません。選手権でも首位打者を獲りたいです」と、揺るがず自らのプレースタイルを貫くことを誓った。

 豊富な経験を積んできた好内野手は、貪欲にチームとして38年ぶりの優勝とさらなる勲章を求めて邁進していく。

添田真海(明治大)とトロフィー写真

初の規定打席到達に添田は「心身ともに疲れる中で結果を残せたのは大きかったです」と笑顔。卒業後は社会人野球でのプレーを予定している。

文・表彰式写真=高木遊
試合写真=山田沙希子