BASEBALL GATE

Ballpark Trip

Ballpark Trip

野球ファンでワチャワチャと賑わう『居酒屋 団』【Ballpark Trip vol.23】

-Ballpark Tripの記事一覧はこちら-

 ナゴヤドームから30分ほどの豊田本町駅。繁華街の喧騒はなく、少し落ち着いた雰囲気の駅から徒歩『13秒』という立地に1軒の居酒屋がある。東京ヤクルトスワローズの背番号『13』・中尾輝投手(以下、中尾投手)の母・中尾美恵さん(以下、美恵さん)が営んでいる『ほんわか安らぎのお店 居酒屋 団』である。

ほんわか安らぎのお店 居酒屋 団の外観

【ほんわか安らぎのお店 居酒屋 団の外観】

 2013年にお店をオープンさせた美恵さん。中尾投手(2016年ドラフト4位入団)もプロ入りする前であり、名古屋経済大学へ通う大学生だった。当時のお客さんは、今までの知り合いや近所の方々がほとんどだったという。

 しかし、中尾投手がプロ入りした後はお客さんの層が一変した。「ナゴド(ナゴヤドーム)でデーゲームがあると、そのあとは賑わってますね。かなりワチャワチャしてます」と美恵さんは笑う。やはりヤクルト戦の後にお店の雰囲気が変わったことを実感するようだ

 ヤクルトファンのお客様はグッズをたくさん置いていってくれることもあるという。「お店のグッズが知らない間に増えていることもあるんですよ(笑)」と美恵さんは教えてくれた。また、名古屋以外の地域から遠征で駆けつけるファンも多いという。お店にはノートがあり、そこに訪れたファンたちが一言コメントを残している。もちろんそのノートは『つばくろうのーと。』である。

つばくろうのーと

【つばくろうのーと】

 メインの料理は家庭料理が中心だ。中尾投手が初勝利時のヒーローインタビューで「おすすめはハンバーグです」と答えたことからハンバーグがウリになった。美恵さんは『ヒーローバーグ』と名付け、今や定番メニュー。もちろん手づくりでボリュームもあり、付け合せにはキャベツがもられている。

 その他にも魚、肉、野菜と多種多様な手づくり料理がメニューになっており、好き嫌いがある方でも安心して食べることができる。大手チェーン店ではなく個人経営の居酒屋で、これだけのレパートリーを手づくりで提供しているのは、並大抵の努力では及ばないのではないだろうか。

ヒーローバーグ

【ヒーローバーグ】

 また、2018年1月からお店の宣伝も兼ねてツイッターのアカウント(https://twitter.com/dan_nagoya )を開設した。お店の情報はもちろん、中尾投手やヤクルトの情報、さらにはプライベートなつぶやきまで美恵さんは投稿している。その甲斐もありファンとの交流も一段と増えた。ツイッター経由でお店に足を運んでくれるファンも多いという。

 美恵さんによると「名前もわからないし、アイコンが顔写真とは限らないので、一致させるのが大変です(笑)だから写真を撮って憶えられるようにしています」ファンが多いからこその嬉しい悩みもあるようだ。

【お仕事中の様子】

 筆者が取材に訪れたのは、ナゴヤドームで野球の試合がない平日の夕方だった。それにも関わらず、数人のヤクルトファン、それも地方からの遠征組がお店にやってきた。そんなファンたちがその場で仲良くなり、同じテーブルでお酒を飲み交わす。その光景が間近で見られたのは驚きだった。居心地のよい空間だからこその出来事なのだろう。

 美恵さんは忙しいながらも、ファンに話しかけながらワチャワチャと仲良く交流を行っている。それはツイッター上と何ら変わらない。気さくな感じは誰しもが親しみを感じる

 美恵さんの人柄、そして美味しいてづくり料理。それが合わさって居心地がよい楽しい空間を作り上げているのだろう。『ほんわか安らぎのお店 居酒屋 団』その名前に偽りはない。

お店の中の様子

【店内の様子】

(記事:勝田聡)