- プロ野球
2019.09.04 12:00
ヤフオクドームの「FUKUOKA CRAFT」は食事、ビール、デザートが揃う【Ballpark Trip vol.17】
スタジアムでの野球観戦。メインとなるのはもちろん野球だが、それ以外にも楽しみはたくさんある。近年は子どもが遊べるアトラクションが設置されるなど、ボールパーク化が進んでいる。しかし、やはり王道の楽しみ方となるのはスタジアムグルメだろう。
それは福岡ソフトバンクホークスの本拠地であるヤフオクドームでも同じである。スタジアム内のコンコース内には、所狭しと多くの飲食店が店を構えており、連日連夜多くのファンで溢れている。その店舗の多くは麺類や丼もの、ファストフードなどテーマが絞られているが、メインアイテムが複数用意されている店舗もある。
それは1番ゲート入って正面に位置する「FUKUOKA CRAFT」(以下、フクオカクラフト)である。今シーズンから営業を開始したフクオカクラフトは、名前の通りクラフトビール、ブリトーやタコスといったメキシコ料理、そしてソフトクリームの3つが柱となっている。
そんなフクオカクラフトを切り盛りする青木庸真さんに話を伺った。
まずはじめにメインとなる商品は何になるのかを聞いてみた。青木さんによると「メイン商品はオリジナルのクラフトビールなんですが、もっとも売れてるのはソフトクリームです」とのこと。ヤフオクドームに訪れるファンには女性が多い。そういった顧客層の影響が出ているのだろう。
メイン商品の自家製クラフトビールは女性に優しい仕上がりとなっている。
「うちではフルーティなものを多く取り扱ってます。ビールはグイグイ飲むイメージがあるかもしれませんが、ワインのように少しずつ飲むこともできます。一番度数の低いものでは3.5度なので女性の方でも飲みやすいと思います」と青木さんは教えてくれた。
「ビール」というだけで敬遠していた女性もぜひ楽しんでほしい商品である。実際に筆者も取材後に味わったが、フルーティーで飲みやすかった。デザートなどに合わせやすそうだ。
そしてソフトクリームこと「大名ソフトクリーム」は1個つくるのに90秒かかる。そのため、待ち時間がどうしても発生してしまう。にもかかわらず、1番売れている商品だと青木さんは言う。最大で1日400個を販売するほどの大人気商品。裏を返すと待ち時間があったとしても、購入したくなるほどの支持を得ているのである。
タコライスをはじめとしたメキシコ料理は一見すると辛そうだが、全く辛くない。青木さんによると「スタジアムにはファミリーも多いのでサルサを改良したんです。辛さを全く抜きました。辛さを求めるお客様は別でアレンジできるようになっています」とのこと。辛さが苦手な方やお子様でも楽しめる仕上がりなのは嬉しいところ。
店舗の工夫のひとつには、カウンター上部にあるデジタルサイネージの利用がある。青木さんによると「デジタルサイネージにはメニューが表示されるのですが、時間帯によって内容を変えています。例えば、デーゲームだとソフトクリームを大きくしたり、ナイターだとビールを大きくしたりといった具合にです」と教えてくれた。
なるほど。その時間帯によってファンが購入しそうな商品をメインビジュアルに据え、購買を促しているのだ。
最後に青木さんはファンに対して、「食事、おつまみ、ビール、デザートとフクオカクラフトで全部が揃います。1試合の間に何回も足を運んでほしいです」とメッセージを出してくれた。たしかに多くの店舗ではメインアイテムが決まっており、1試合の中で複数回に渡って足を運ぶことはあまりない。
しかし、フクオカクラフトでは青木さんが言うように、お腹が空いてるときは食事、お酒が欲しくなればクラフトビール、締めにデザートとシチュエーションによって使い分けができる。そう、長い試合の間に何度も楽しめるのだ。
試合開始前から最後まで1店舗で全てがまかなえるフクオカクラフト。スタジアムグルメの新しい形かもしれない。
記事:勝田聡