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社会人野球

京田陽太擁する日大が12年ぶり東都制覇!支えた学生コーチと涙の抱擁

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★伝統校復活

 20日のドラフト会議で、中日から2位指名を受けた京田陽太内野手(4年・青森山田)擁する日本大が東洋大を3-2のサヨナラ勝ちで破り、2004年春以来25季ぶり23回目の優勝が決めた。

 9回、2点を追う日本大は2本の安打で一死一、三塁のチャンスを作ると1番・上川畑大悟内野手(2年・倉敷商)の右中間を破る二塁打で同点とした。さらに続く長沢吉貴外野手(2年・佐野日大)の叩き付けた打球が二塁手の頭上を越えると、三塁走者が生還し日本大の優勝が決まった。
 チームが歓喜に沸く中、ネクストバッターズサークルに控えていた京田は、三塁コーチを務めていた小保根誠学主将(4年・履正社)と抱き合い号泣した。今春までは京田が主将を務めていたが、「京田を選手に専念させるために」と仲村恒一監督の提案で配置転換。秋から、学生コーチの小保根が主将を引き継いでいた。
 小保根が「京田は『スピード&パッション』という“心は熱く、頭は冷静に”という意味のスローガンを象徴する選手」、京田が「小保根がいなかったら今の自分はいない」と話す。チームを牽引するため、互いに信頼し合い助け合ってきた2人にとって最高のハッピーエンドが訪れた。

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★変わらぬ姿勢で日本一狙う

 優勝の要因について、小保根主将は「当たり前のことを当たり前にやることが一番難しいと言われてきましたが、それを全員で徹底できました」と語る。優勝争いが激しくなり、プレッシャーが強くなっても、固い守りからリズムを作り、全力疾走で相手守備のミスを呼ぶスタイルは変わることがなかった。
 その象徴的存在が、京田だった。基本に忠実で安定感抜群の守備に加え、どんな凡フライでも全力疾走を怠ることはなく、その全力疾走は外野手が捕球する際には京田が二塁ベース付近にまで到達しているほどだった。
 また、今春に打撃で苦しんだ京田が、侍ジャパン大学代表活動から帰り、打撃改革に取り組むと、その全体練習後の特打に、周りの選手もついていくようになった。
 まさに、京田が模範となり背中で引っ張ったチームを小保根ら上級生が支え、戦国東都の頂点に上り詰めることとなった。次に狙うのは、11月11日に開幕する明治神宮大会(日本大の初戦は13日)での日本一だ。
「自分のドラフト指名より、今日の方が嬉しいです」と語った京田は、「もう1度監督を胴上げしたいです」と続け、次なる目標を掲げた。舞台が全国大会に変われど、京田の堅実なプレースタイルがチームの原動力となることに変わりはない。

文・写真:高木遊