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主将・河津和也のサヨナラ打で立正大1部復帰!専修大は5季ぶりの2部降格【東都大学野球入替戦】

★シーソーゲームの激戦制す

 1勝1敗で迎えた東都大学野球1部・2部入替戦。秋に、学生野球の聖地・神宮球場で戦う権利をかけた一戦は両者の思いが交錯する激戦となった。

 試合前半から点を穫り合う展開となったが、5回に立正大が連打でチャンスを作ると、相手野選と伊藤裕季也内野手(3年・日大三)のタイムリーで2点を奪い、専修大の先発・高橋礼投手(4年・専大松戸)をノックアウト。
 この後、さらに暴投で1点を追加した立正大がそのまま逃げ切るかと思われたが、8回表に専修大の4番・平湯蒼藍外野手(2年・海星)の3ランで同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。
 8回裏には立正大が小畑尋規捕手(4年・北照)の二塁打で勝ち越したが、それでも粘る専修大は9回に池間誉人内野手(※指名打者で出場/2年・糸満)が執念の二塁打を放ち、同点に追いついた。

 このシーソーゲームに蹴りをつけたのは、立正大の主将・河津和也内野手(4年・日大三)だった。安打と盗塁、相手投手の暴投で作った一死三塁のチャンスで、低めのカットボールを弾き返すと、打球は三塁線を破り、三塁走者が生還しサヨナラ勝ち。劇的な幕切れに、立正大の選手たちはベンチから喜びを爆発して飛び出し、専修大の選手たちはしばらくその場を動けなかった。

 殊勲の一打に河津は「たまたまです。自分が打てなくても後ろの打者が打ってくれると思いました」と主将らしく謙虚に喜びを語った。
 2010年春以来の1部復帰を決めた就任5年目の坂田精二郎監督は「河津には普段からチームの気を引き締めてくれるので、こちらが助けられています」と目を細め、「根気強く伝えてきたことを試合で出してくれました」と選手たちの活躍を称えた。
 秋の1部での戦いについて、河津主将は「学生野球は何があるか分からないので、守り勝っていきたいです」と決意を語り、坂田監督は「野球の細かいところをもっと分かってくれば、もっと野球は面白くなっていくはずです」と選手たちの成長に期待をかけた。

河津のサヨナラ打で1部復帰が決まると、選手たちは喜びを爆発させた。

★東都大学野球1部2部入替戦3回戦
専修大 110000031=6
立正大 200030011x=7
【立】鈴木、◯釘宮—小畑
【専】高橋(礼)、角谷、●金城—深水、大橋(将)
本塁打:専修大・平湯(8回3ラン)

◎立正大・坂田精二郎監督
「厳しい戦いでしたが、やってきたことが正しかったと証明できました。1部の他校はもう秋に向けて動き出しているわけですから、出遅れを取り戻せるよう練習していきたいです」

現役のシダックス時代に指導を受けた野村克也監督譲りの細かい野球を浸透させ、1部復帰に導いた坂田監督

◎専修大・齋藤正直監督
「秋に捲土重来を目指します。昨年も5位、6位と綱渡りでしたので、これを良いチャンスだと思って真摯に練習していきたいです」

2014年秋以来の2部リーグで今秋を戦うこととなった専修大。粘りを見せたがあと一歩及ばなかった。

文・写真:高木遊