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2019.11.13 17:00
「次は誰を誘おうか? 」と思わずにはいられない『MLB café TOKYO 東京ドームシティ店』【Ballpark Trip vol.27 】
東京ドームを中心とした観光スポットである東京ドームシティ内にMLBファン御用達のレストランがある。MLBから公認ライセンスを許諾されている世界で唯一のエンターテイメントレストラン、『MLB café TOKYO 東京ドームシティ店』だ。
1号店は2009年に恵比寿(東京都)にオープン。その6年後となる2015年に東京ドームシティ店がオープンした。
その佇まいはゴージャスのひとこと。店舗外側のガラス張りの壁面にはMLB各球団の電飾ロゴが光り、きらびやかな空間を演出している。
しかし、入り口から一歩中に足を踏み込むとその印象はガラリと変わる。
エントランスには大谷翔平(エンゼルス)のユニフォームが飾られている。その他にも幾多の名選手たちの写真やグッズも展示されており、落ち着いた雰囲気が漂う。徐々にMLBの世界へと引き込まれていくようだ。足元に目を移すとワインの木箱。その中にはヤンキースのラベルがついたワインボトルが敷き詰められているのも見逃せない。
ところどころに来店したMLB、NPBプレーヤーたちのサインが直に書き込まれているのを見るだけでも楽しい。誰が書いたのかは伊藤岳義店長に聞けば、エピソード付きで教えてくれる。
「ランディ・ジョンソンとルイス・ゴンザレスが書いてくれた間に(後から)、ウォーレン・クロマティが書いたんですよ(笑)」
とか
「山田哲人が23番で書いてくれたんですけど、翌日に背番号1が発表されたんです。たぶん、最後の背番号23(のサイン)じゃないですかね(笑)」
といった具合にだ。聞いているだけで楽しくなる。
エントランスを抜け店内に入るとそこには広々とした空間が飛び込んでくる。案内してくれるホールスタッフたちは、MLB各球団のユニフォームを着用しており気分は上がる。キッチンスタッフのポロシャツにもロゴマークが入っていた。徹底している。
全部で180席ほど。伊藤店長によると「立食で250名ほどですかね。結婚式の二次会などでも利用されることもあります」とのこと。結婚式の二次会という特別な時間を演出できる空間がそこにはある。
右手側には大画面とステージ。左手側にはバーカウンター。ステージではオーディションを突破したMLBガールズたちによるダンスイベントが行われることもある。大画面では主にMLBの映像が流れている。
ダンスイベントと聞くと騒がしそうに見えるが、常時イベントが催されているわけでなく、筆者が訪れた平日の13時頃は落ち着いた空気が流れていた。
喧騒から離れることもできる。2階的な位置にも座席は用意されていおり、落ち着いた会話も楽しめるスペースは十分にあるのも優しい心配り。テーブルの中にはバットが埋め込まれていたり、さらに3階的な位置の奥にはグッズが飾られている。MLBのことを知らなかったとしても、きっと見ているだけで楽しい。そんな空間だ。
もちろん食事も抜かりはない。人気商品のハンバーガーはグレーターオマハというブランド牛を使っており、ボリュームたっぷり。一見、女性では食べ切れないように見えるが、「女性のお客様もひとりで食べてらっしゃいますよ。安心してください」と伊藤店長は笑う。
そのハンバーガーが4つ組み合わさった高さ約40センチの逸品・タワーバーガーもおすすめだ。さすがにこちらは1人で食べきることはむずかしいが、仲間でシェアすればすぐになくなってしまう。インスタ映えとしての撮影はもちろんだが、インスタグラムをやっていなくても思わず写真を撮りたくなる。そんな商品である。
食事にもエンターテインメントが存分に込められているのは嬉しい。
最後に伊藤店長は
「MLBファンであっても、そうでなくとも気軽に足を運んでほしいですね。食事を楽しんでいるときに画面で流れているメジャーリーガーをちょっとでも見て、それがMLBを好きになるきっかけとなってくれたら嬉しいです」
と笑顔で語ってくれた。
『MLB café TOKYO 東京ドームシティ店』という店名だけを見ると、もしかしたら敷居を高く感じてしまうかもしれない。しかし、そんなことは決してない。エンターテインメントとおいしい食事を提供してくれるアメリカンスタイルのレストランなのである。
ひとりでも数人の仲間でもパーティーでも……。一度でも足を運び利用すればその上質な空間に魅了されるはずだ。
「次は誰を誘おうか──」
そんなことを考えさせてくれる『MLB café TOKYO 東京ドームシティ店』は水道橋のオアシスである。
(記事:勝田聡)