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大学野球

気迫みなぎり迫力あふれる最速149キロのサイド右腕 津森宥紀(東北福祉大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】

津森宥紀(つもり・ゆうき) ●守備 投手 ●身長・体重 177cm・80kg ●生年月日 1998年1月21日 ●所属 東北福祉大 ●球歴 和歌山東高→東北福祉大 ●出身地 和歌山県 ●投打 右右

津森宥紀(つもり・ゆうき)
●守備 投手 ●身長・体重 177cm・80kg
●生年月日 1998年1月21日 ●所属 東北福祉大
●球歴 和歌山東高→東北福祉大 ●出身地 和歌山県 ●投打 右右

 サイドハンドから投じられる最速149キロのストレートはインコースを果敢に突くことができ、カットボールやスライダー、チェンジアップ、ツーシームと球種も多彩だ。

 高校時代に今の投げ方に変えて近畿大会に出場。大学は全国的な強豪である東北福祉大に進学した。1年春からリーグ戦に登板すると、全日本大学野球選手権でも3試合に中継ぎ登板し自責点なしの好投を見せた。2年時から侍ジャパン大学代表に選出され、3年春には相手を寄せ付けないような投球を見せる。

 リーグ戦開幕前、崩れた折りたたみの椅子に右手中指を挟んでしまい剥離骨折。リーグ戦は2試合で4イニングの登板にとどまったが、大学選手権前に大塚光二監督から「(合計で)なんとか18イニングを抑えてくれ」と、できる限りの活躍に期待を込めた。

 すると、津森はその期待通りに先発10回完投を含む4試合18回3分の2を投げて2勝、防御率0.00の大活躍で14年ぶり3回目の大学選手権優勝に大きく貢献した。最優秀投手賞を獲得し、優勝会見の壇上では座るやいなや、大塚監督から「椅子には気をつけろよ」と突っ込まれ表情を崩した。

 その夏には侍ジャパン大学代表にも2年続けて選出されると、日米大学野球で3試合4イニングを抑えて自責点なし、ハーレムベースボールウィークでも2試合2イニングを自責点なしに抑えた。

 今年は大学選手権の準々決勝の佛教大戦で7回からリリーフするも3点のリードを奪えずに敗れ悔し涙を流し、侍ジャパン大学代表からも落選。だが、依然として評価は高く調査書は11球団から届き、10月8日には仙台六大学野球の胴上げ投手にもなった。

 不慮の怪我以外は大きな故障も無く、大塚監督も「投げれば投げるほど状態が上がるタイプです」と話すようにタフだ。相手に立ち向かっていく姿勢は見ていて爽快でもあり、そんな投球をプロの世界でも長く観てみたい。

文・写真=高木遊