10月6日、東京六大学野球の秋季リーグの第4週2日目が行われ、法大が2対1で明大に競り勝ち開幕６連勝。一方明大は4連敗となり、春秋連覇に黄信号が灯った。

下半身に重心を置くことや力の入れどころも上手く調整し、強く速い腕の振りとストレートを手に入れた鈴木

　連勝街道を突き進む中で日替わりのヒーローが生まれる法大。この日の主役となったのは常総学院出身の3選手だ。

　両者無得点で迎えた３回裏、法大は一死から先発投手の高田孝一（3年・平塚学園）と1番・宇草孔基（4年・常総学院）が続けてライト前安打で出塁しチャンスを作る。ここで「明大との相性も良いし、バットも振れていたので」（青木久典監督）と前日の１回戦に続き2番・一塁手で起用されていた中村迅（3年・常総学院）が右中間を破る当たりを放つと、高田に加え一塁走者の宇草も俊足を飛ばして本塁に生還。２点を先制した。

　投げては高田が４安打を打たれながらも５回１失点で粘ると、青木監督は６回から今季得意としている継投策へ。６回と７回を鈴木昭汰（3年・常総学院）がともに出塁を許しながらも、帽子が吹き飛ぶほどの速い腕の振りから140キロ台中盤から後半に迫るストレートとキレの良いスライダーなどを投げ分けて得点を許さず。
８回は内沢航大（4年・八戸工大一）、９回は三浦銀二（2年・福岡大大濠）がそれぞれ3人で攻撃を抑えて逃げ切った。

　これまで６勝すべてが継投策による勝利となった法大。この日好投した鈴木が「春の悔しさを投手陣全体で重く受け止め、秋は“投手で勝つ”と誓った中で刺激し合えています」と語ったように、5位に沈んだ春からの下克上への思いが、各選手の躍動に繋がっているようだ。

　一方、春に大学日本一に輝いた明大は先週の早大戦に続き勝ち点を落とした。奮起を促すべく善波達也監督は1年生4人を先発起用し、７回のチャンスにはドラフト1位候補右腕・森下暢仁（4年・大分商）を代打起用する大胆な策に打って出たものの、あと一本が出ずに春秋連覇が遠のく結果となった。

打者としても４割を超える打率を起用していた森下を７回のチャンスで代打に送ったものの、鈴木の得意とするスライダーで見逃し三振に終わった

■明治大vs法政大2回戦

明大 000010000=1
法大 00200000X=2

【法】○高田、鈴木、内沢、三浦-伊藤
【明】●伊勢、入江-蓑尾

◎法大・青木久典監督
「中村は良い守備も見せてくれましたし期待通りのプレーをしてくれました。（２安打の）宇草も内容はこれまでも悪くなかったですし、しっかりと修正もしてくれて復調できている。（次週対戦し首位を争う）慶応にはずっと負けているので気を引き締めていきます」

文・写真＝高木遊