- 社会人野球
2019.09.30 17:00
高校時代には才木浩人から一発!走攻守揃った社会人トップ外野手・佐藤直樹(JR西日本)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 社会人編】
遠投120mを誇る強肩に加え、50m走は5秒8と俊足のクラッチヒッターとして注目される佐藤直樹。
報徳学園中から名門・報徳学園高へ進むと1年時からベンチ入りを果たし、捕手から外野手へとコンバートされるとライトのレギュラーポジションを獲得した。ただ、2年秋は近畿大会でベスト8に入るも、補欠校止まり。
3年春は県準優勝と結果を残したが在学中の甲子園出場はならなかった。それでも、最後の夏となった兵庫大会の初戦・須磨翔風高戦では才木浩人(阪神)から先制の適時三塁打と勝ち越しの場外弾をレフトへ放つなど持ち前のパンチ力を発揮。大会通算5試合で8打点を挙げてみせた。
JR西日本では1年目から公式戦に出場すると、2年目の昨季は正外野手のポジションを確保。6月の都市対抗野球・中国地区二次予選では、全国への最後の1枠をJFE西日本と争った第2代表決定戦で、東京ドーム行きを決めるサヨナラ二塁打。
本戦では9番・ライトで全3試合に先発出場し、ヒットはわずかに1本と苦しんだが、その1安打は1回戦・JR北海道硬式野球クラブ戦での先制二塁打と勝負強さは相変わらずだった。さらに、8月のJABA広島大会では決勝の広島東洋カープ(二軍)戦で2本の三塁打を放って優勝に貢献。見事、大会の最高殊勲選手賞を受賞している。
そして、今季はバッティングに安定感が増した佐藤。JFE西日本の補強選手として臨んだ今年7月の都市対抗はクリーンナップの3番を任され、初戦の日本製鉄広畑戦では1点差に詰め寄られた直後の9回表にセンターへ反撃ムードを断ち切るタイムリー。バックホームの間に二塁を陥れる抜け目のない走塁も見せ、さらなる追加点を呼び込んだ。
続く3回戦の鷺宮製作所戦でも、5回表にインコース寄りのストレートを左中間へ運んで中押し。深い当たりではなかったが、ここでも俊足を飛ばして二塁へ到達した。準々決勝の東芝戦は敗れてしまったものの、3回裏に三遊間を破るヒットでチーム唯一の得点を挙げ、3試合通算では14打数6安打の打率.429。得点圏打率も9打数4安打と4割を超える数字をマークした。
センターの守備もそつなくこなし、走攻守の三拍子が高いレベルで揃った佐藤。身体能力の高さをうかがわせるプレーぶりは今季の社会人野手のなかでも間違いなくトップレベルで、高卒から3年目の21歳という若さもアピールポイントになるだろう。
記事:大平明