- 大学野球
2017.05.27 21:55
岐阜経済大、悲願の全国舞台へ!プロ注目の強力投手陣で今年も岐阜から旋風だ【東海地区大学野球】
★下手投げエース・與座が完封
岐阜経済大vs日大国際関係学部(東海地区大学野球春季選手権大会 第3試合)
日大国際関係学部 000000000=0
岐阜経済大 01040000x=5
【日】●小澤(拓)、続木—山田
【岐】○與座—山内
本塁打:【岐】山内《4回3ラン》
岐阜経済大が創部初の大学選手権出場を決めた。東海地区大学リーグは27日、3県(静岡・岐阜・三重)1位校によるリーグ戦形式の選手権大会(代表決定戦)を行い、岐阜経済大が三重大、日大国際関係学部を下し優勝。全国舞台に名乗りをあげた。
勝ったチームに夢切符が渡る日大国際関係学部との一戦で、岐阜経済大らしさが存分に出た。打線は小森茂監督が「日替わりでヒーローが出る。キーになる打者が毎試合変わってくる」と言うとおり、4回裏に山内来輝捕手(3年・大垣商)が左翼席へ3点本塁打。9番打者ながら今春リーグでチーム打点王の男が、形勢拡大の殊勲打を放った。2回裏の先制点も下位打線が演出している。
栄冠の最大の原動力は投手陣だ。先発を務めた右アンダースローの與座海人投手(4年・沖縄尚学)が、連打を許さず無四球完封。「相手バッターの右左に関係なく、内外のコースを突けた」(與座)と持ち味を発揮した。さらに三重大戦で登板した左腕の栄野川盛隆投手(4年・興南)、抑えの最速152キロ右腕・濱口雄大投手(4年・高知農)もいて、台所事情で優位に立つ。
強力投手陣は全国レベルである。この日は8球団12人のプロ球団スカウトが集結した。地元・中日の清水昭信スカウトは「3投手ともよかった。與座は球の出し入れがうまく、プロでもなかなかいないタイプ。栄野川も上背以上に球に角度があり、キレもある。濱口のスピードボールは全国屈指」と賛辞を送った。
道のりは平坦ではなかった。今の4年生部員は2年前、秋に県リーグを制しながら代表決定戦で敗退。昨年は優勝争いから一歩後退した。最終学年を迎え、「チーム全体で練習での意識を変えた」(與座)、「普段の生活リズムも改めた」(栄野川)といい、今春の躍進につなげた。
あらゆる思いが結実した優勝だ。岐阜経済大は今年、学校創立50周年。野球部が新たな歴史をつくった。また、ベンチに掲げられた背番号15のユニフォームは、4年生部員の同級生で、3年前に不慮の事故で亡くなったメンバーのものだという。さらに今春リーグ戦中に負傷し、ベンチを外れた選手のユニフォームも持ち込んでいた。
岐阜県の大学リーグからは昨年、中京学院大が大学選手権初出場で初優勝の偉業をやってのけている。岐阜経済大もその再現が期待できそうだ。(文・写真:尾関雄一朗)
★注目選手
與座海人投手(よざ・かいと/4年・沖縄尚学)
アンダースローのエース。打者の手元で伸びる130キロ前後のストレートと、スライダー、シンカーをコースに決める。投球のテンポも良い。兄は社会人野球・パナソニックの與座健人投手。
濱口雄大投手(はまぐち・ゆうだい/4年・高知農)
力強く腕を振り、最速152キロ、常時140キロ台後半のスピードボールが武器。今春リーグ戦で抑え役として台頭した。則本昂大投手(楽天)に投球スタイルが似ていて、本人も意識しているという。