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2019.09.02 18:45
目指すは金子弌大!侍ジャパン大学代表を経てさらなる高みを目指す 山崎伊織(東海大3年)【Future HeroesVol.28】
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最速153キロのストレートと多彩な変化球で、今春にブレイクを果たした東海大の3年生右腕・山崎伊織。7月には侍ジャパン大学代表の一員として日米大学野球に出場し好投するなど伸び盛りの右腕にその要因や今後の抱負を聞いた。
高校時代までは怪我が多かった。中学1年時に膝を手術し3年時には疲労骨折。明石商でもその高い素質は高く評価されていたが、3年春にセンバツ甲子園出場時は、エースだった吉高壮(日本体育大)が3試合を完投し登板機会は無かった。
その後も右ひじ痛により投げられない期間が長く、県準優勝に終わった最後の夏は決勝戦の9回を任されたのみ。大学1年時も11月までは投球ができなかった。
それでもめげることなく、自分で考えを持ってトレーニングに取り組んでいくと2年春からリーグ戦に登板。春秋で4勝を挙げると、今年は春前の沖縄キャンプで「ストレートに近い変化球を」とカットボールをモノにした。空振りが取れる変化球が増えて、これが投球の幅を大きく広げた。
すると春季リーグで3勝1敗、防御率2.17と、要所で活躍を遂げて最高殊勲選手賞を受賞。全日本大学野球選手権でも3試合15イニングを投げて自責点3。全国初勝利に加え、自己最速となる153キロも計測した。
もともとカットボールやスライダー、ツーシーム、シュートも投げており、憧れの投手に挙げる金子弌大(日本ハム)のようなキレのあるストレートと多彩な変化球、どの球種でも抑えられる投手に近づいていっている。
また、この夏には侍ジャパン大学代表にも選出。開幕戦で7回に無死三塁から三者連続三振を奪うなど活躍を遂げた。さらに同部屋の来秋のドラフト候補・伊藤大海(苫小牧駒澤大)や、同リーグでしのぎを削る今秋ドラフト候補の吉田大喜(日本体育大)に投球時のグラブ側の手の使い方やトレーニング方法などを教わったところ、ストレートの力強さに手応えを増している。
今秋の目標はこれまでと変わらず「大学日本一」だ。準決勝で敗れた春の選手権は「投手がしっかりすれば勝てる試合でした」と悔しさが強く残っており、それだけに「日本一になるための投球をしたいです」と抱負を語った。
そして9月2日の開幕週で対大東文化大2回戦に先発登板すると、8回までノーヒットノーランを続ける1安打完封15奪三振と鮮烈な好発進を切った。
大学球界を代表する投手への道を着々と進む山崎に、今後も大きな注目をしていきたい。
文=高木遊
写真=中西陽香