- プロ野球
2019.08.17 12:00
「辛いことはない」楽天生命パーク宮城の売り子さんは頼もしい!【野球女子 vol.17】
夏、真っ盛り。屋外球場ではビールが飛ぶように売れている。内野席、外野席どこを見渡しても、売り子さんたちが汗を流しながら笑顔でビールサーバーからビールを注いでいる姿が見受けられる。12球団の本拠地としては、本州最北端にある楽天生命パーク宮城でも同様だ。そんな楽天生命パーク宮城で活躍する高橋陽菜さんに話を伺ってみた。
笑顔が素敵な高橋さんは今シーズンが3年目。ビールの売り子さんに多い学生さんかと思いきや、「試合がないときは内勤業務をしているんです」と意外な答えが返ってきた。
楽天生命パーク宮城は仙台という土地柄に加え、屋外スタジアムという環境。春先や秋口が寒いということは容易に想像がつく。
どれくらい寒いのか聞いてみたところ「普段は動き回っているので、あまり寒さを感じることはないのですが、今年のホーム開幕戦は雪が降ってたので、さすがに寒かったですね」とのこと。
雪が降ればさすがに寒いようだが、普段はあまり感じることはないようだ。とはいえ、身体のケアはしっかりとおこなっている。
「雨の日や気温の低い日は、仕事が終わったあとにスタッフさんが温かいスープを用意してくれているので、それを飲んで帰ってます」と現場に出ている売り子さんをサポートするスタッフの気遣いがあることを教えてくれた。
これまでの苦しかったことについても聞いてみた。すると、「今年のホーム開幕戦は手がかじかんだりしましたけど、特にこれが辛いとかはないですね。雨が降っていたとしても、お客様との会話を少し伸ばしたりするなど、なるべくコミュニケーションをとる工夫をしてます」と頼もしい声が聞けた。
雨が降ったり、売上が伸びなかったりすると、辛かったりもしそうだが、そんなことはないようだ。
一方、嬉しかったことは「ありがとう」の言葉をかけてもらったときだという。野球に集中していると、売り子さんに対しての感謝を口にすることを忘れてしまうことがあるかもしれない。
試合終盤ならなおさらのこと。でも、そんなときだからこそ、「ありがとう」の一言を大事にしたい。何気ない一言かもしれないが、売り子さんはその一言が活力になっていたりもする。
楽天生命パーク宮城に足を運ぶファンは、「ありがとう」の声を多くかけているから、高橋さんは「辛い」と思わないのかもしれない。
今シーズンから楽天生命パーク宮城では完全キャッシュレスが始まった。それは店舗だけではなくビールの売り子さんたちも同様だ。楽天Edyや楽天ペイ(アプリ決済)、クレジットカードなど現金以外で決済をおこなっている。現金が使えないことによるトラブルがないのかは、気になるところ。
高橋さんによると「開幕当初は戸惑う方もいらっしゃいましたが、キャッシュレスになったことに(売り子さんもファンも)慣れてきたことで、受け渡しが早くなったと思います。お釣りの間違いがなくなったのも嬉しいです」とのこと。
筆者も同スタジアムでビールを購入したが、時間も短縮されておりストレスを感じることはなかった。また、周りを見渡しても、不具合が起こっている場面を目撃することはなかった。遠征で初めて足を踏み入れるファンでも1度利用すれば、問題なく対応できるだろう。
ここまで浸透した背景には、高橋さんをはじめとした売り子さんの力も大きい。現金が使えないことを告知する、小型の旗をキャップに付け周知徹底。わからないお客様には、丁寧に教えることもしてきたという。その場だけを見ると、時間がかかってしまい売上が落ちてしまうかもしれない。しかし、それを笑顔で対応してきたからこそ、キャッシュレス文化が浸透してきたのだろう。
最後に高橋さんからファンへのメッセージを頂戴した。
「まずは楽天生命パーク宮城に足を運んでいただいて、野球観戦以外も含めて楽しんでもらって、売り子からビールを買っていただければ嬉しいです」
楽天生命パーク宮城は、日本でも有数のボールパークだ。スマイルグリコパークのアトラクションやグルメなど、野球以外も満喫し最後は売り子さんから購入したビールを片手に野球観戦を楽しんで欲しい。
(記事:勝田聡)