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2017.04.11 12:00
【THE INSIDE】東京新大学リーグは大田スタジアムからスタート…大学野球探訪(1)
今、大学野球が面白い。ことに、老舗リーグと言われている東京六大学野球、東都大学野球、関西六大学野球だけに限らない。
というよりも、全日本大学野球選手権大会や秋の明治神宮野球大会などの近年の成績を見てもわかるように、各大学リーグ間の格差が縮まってきている。だから、地方リーグと言われるところにも魅力的なチームが多数登場している。
また、ドラフト上位指名を獲得するような好選手もいる。そんな情報も含めて、不定期ながらも各地の大学野球の魅力を伝えていきたい。
4月は新しい出会いの季節とも言われている。学校でも、新入生が入ってきてフレッシュな活気があふれている時期でもある。また、在学生もそれぞれ学年がひとつ上がって、それなりに自覚も新たになっていく時でもある。
大学リーグは、4月の声とともに各地で開催されるが、どことなくフレッシュな空気が感じられる。特に観客の多い東京六大学リーグなどでは、スタンドでもそんな雰囲気は大いに漂っている。ただ、いささかマイナー感が否めない各地方のリーグではそれほどまでではない。とはいえ、各チームの新たなシーズンへの思いは強く表れてくる。
東京新大学リーグは、このところは毎シーズン大田スタジアムからオープニングシリーズが始まる。前季の上位2校と下位2校がぶつかるのが慣例となっている。
昨年、春のシーズンに初優勝を果たして大学選手権にも出場。秋も2位で、関東選手権(横浜市長杯)に進出するなど躍進著しい共栄大。この春も、開幕週は駿河台大に連勝して好スタートを切った。
共栄大のリードオフマン、長谷川亮太君
共栄大は2002(平成14)年に創部して、翌年8月に連盟に新加入している比較的新しい存在だ。東京新大学の一部校と二部校12校の中では、2011(平成23)年に創部して、翌年加盟している東洋学園大に次ぐ新しさである。
それでも、近年の実績は著しい。この春も2年生の二本柱となっている清水蓮君(樹徳)と、木村巧君(草加西)を中心として安定した力を見せている。昨シーズンの最高殊勲選手となった4年生のリードオフマン長谷川亮太君(武南)も健在である。3年生で2番の宮澤亮君(昌平)とのコンビは、相手に脅威を与える1、2番となりそうだ。
リーグの老舗といわれる創価大は、もちろん今季も充実している。昨年は、5球団が競合の末にソフトバンクに入団した田中正義投手と楽天の2位指名を受けた池田隆英投手の2人が、ドラフト上位指名を受けるなどして、その質の高さも裏付けされている。
創価大は過去リーグ戦で43回優勝(春21回/秋22回)という、このリーグの顔といってもいい存在である。各校ともに、「打倒創価大」を目指してレベルアップしてきた。
追う存在としては筆頭格の流通経済大(春11回/秋18回優勝)が健闘してリーグを盛り上げた。さらには、現在は二部に低迷しているものの、過去には春と秋にそれぞれ二度ずつ優勝経験のある高千穂大(旧・高千穂商科大)、通算18回優勝(春10回/秋8回)を記録している東京学芸大などが追いかけていた。
やがて、東京国際大なども台頭してきてリーグ戦が混戦となってきた。そして、共栄大や杏林大、駿河台大に加えて、まだ二部から昇格した実績はないものの東洋学園大などの新興勢力も強化に乗り出してきたのである。
杏林大はキョーリン製薬を母体としているだけに、元々は保健学部と医学部などの医療系の専門大学だった。外国語学部が設置されていたが、さらに総合政策学部が設置された。総合大学化していく中で、野球部も強化していくシステムが出来てきた。1987年(昭和62)年に連盟に加盟している。
また、駿河台大は87年に創部され、1992(平成4)年に加盟して、2015(平成27)年からは近鉄や広島、ヤクルトなどでプロ野球経験のある野林大樹監督を招聘すると、その年に初の一部昇格。新興勢力ではあるが、力を備えてきたことは確かである。
大田スタジアム外観
こうした新しい勢力も入り乱れて、リーグ戦そのものの質も向上してきている。球場仕様の都合もあるが、このところは毎シーズンのオープニングとなる第1週は大田スタジアムで開催されている。
この大田スタジアムと岩槻川通公園野球場がメインとなっている。他には、今季は飯能市民球場や最近出来た龍ヶ崎市のたつのこスタジアムなど、加盟校がある近郊の首都圏都市で試合を行っていくことも特徴となっている。ぜひ、足を運んで観てみることをおすすめしたい。