- 大学野球
2019.06.03 20:06
高橋佑樹が涙の3安打完封。大久保秀昭監督もらい泣き。慶大が早慶戦制し6季連続勝ち点4【6/3 春季東京六大学野球 3回戦 早稲田大学 vs 慶應義塾大学】
6月3日、東京六大学野球春季リーグの最終カードとなる早慶戦の3回戦が行われ、慶大が早大を2対0と下し、3季ぶりの早慶戦での勝ち点獲得と、6季連続となる勝ち点4獲得となった。
高橋佑樹(4年・川越東)は3安打完封を果たすと、溢れる涙を堪えきれなかった。ベンチ前で大久保秀昭監督と抱擁を交わすと、ベンチ裏に戻ってからもタオルで顔を覆い号泣。さらに記者との囲み取材中に大久保監督は「去年の秋の悔しさを・・・」と声を震わせると言葉が続かず「もらい泣きしちゃいました」と声を絞り出した。
昨秋の3連覇がかかった早慶戦3回戦で9回に痛恨の逆転を許し優勝を逃した。その試合で先発し9回途中までマウンドに立っていたのが高橋だった。それだけに今季は「早稲田にはなんとしても勝つという気持ちで取り組んできました」と振り返る。だが今春はここまで本来の投球ができず、優勝をかけた大一番の明大戦でも7回途中4失点で降板していた。
それでも「1回戦で続けて使ってくれていただいたので」と大久保監督の期待に応えたい一心だった。また大久保監督は球速に意識がいきがちになっていた高橋に「持ち味は緩急だろ」と改めて自らのスタイルを見直せる助言を与えた。
そうした経緯もあって臨んだ1回戦では本盗や本塁打で勝ち星を挙げることはできなかったが、吹っ切れた気持ちで臨んだ3回戦で満点に近い投球を見せた。
目を真っ赤にした大久保監督は「責任を感じていたと思うんですよ。それを乗り越えてくれたのが嬉しい。学生野球っていいなと思いました」と瞳を潤ませながら喜びをかみしめた。また高橋も「早慶戦という特別な舞台で雪辱を果たせたのは大きなこと」と話し、「秋への繋がり方が違うと思います」と良い形で春季リーグを終えられたことに胸を撫で下ろした。
これで慶大は6季連続の勝ち点4獲得。秋春とあと一歩届かなかった天皇杯奪還に向けて最高の形でリーグ戦を締めくくった。
■早稲田大vs慶應義塾大3回戦
早大 000000000=0
慶大 00100010X=2
【早】●早川、西垣、柴田-小藤
【慶】○高橋佑-郡司
文・写真=高木遊