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高校野球

履正社が9回表逆転劇で決勝進出!
報徳学園・永田 裕治監督はラスト采配に

3月30日(木)「第89回選抜高等学校野球大会」11日目。準決勝・第1試合は、準々決勝で盛岡大付(岩手)から13安打8得点を挙げた履正社(大阪)と、同じく準々決勝では岡本 蒼(3年)のホームランなどで福岡大大濠(福岡)を8-3で下した報徳学園(兵庫)による近畿勢対決となった。

1回表、履正社は盛岡大付戦で3安打を放った3番・安田 尚憲(3年)が、報徳学園の先発・西垣 雅矢(3年)のストレートをライトスタンドに放り込む大会19号で1点を先制。大会を代表するスラッガーが高校通算50本目となる面目躍如の一発を見せた。

「選抜第11日」 履正社―報徳学園  履正社―報徳学園 1回表、先制本塁打を放ちガッツポーズの履正社・安田(手前)と喜ぶベンチ【写真提供:共同通信社】

履正社は、その裏に好守連発で今大会初登板の左腕・松井 百代(3年)を救う。松井は報徳学園先頭の小園 海斗(2年)にセンター前ヒットを打たれるが、送りバントは自ら二塁で封殺。続く3番・片岡 心(3年)のヒットエンドランに対し、二塁手の溝辺 冬輝(3年)が横っ飛びでキャッチし一塁へ送球してアウト。その間に三塁を狙った一塁走者もベース手前でタッチアウトでチェンジとした。

その勢いのまま履正社は2回表にも四球の5番・浜内 太陽(2年)を一塁に置いて、二死から8番・西山 虎太郎(2年)がライトオーバーのタイムリーツーベースで追加点を奪った。

しかし、負ければ永田 裕治監督が勇退を迎える報徳学園も粘りを見せる。2回裏、先頭の4番・篠原 翔太(3年)がヒットで出塁し、5番の神頭 勇介(2年)送りバントを決めると。6番・池上 颯(3年)がセンター前にヒット。中堅手がボールを弾く間に二塁走者がホームインし1点を返した。

報徳学園はさらに攻勢をかける。3回表一死満塁のピンチで2番手マウンドに立った池上がピンチを切り抜けると、その裏に小園と2番・永山 裕真(3年)による連打などで迎えた二死二・三塁から篠原の右前適時打でついに同点。

さらに6回裏には4回からリリーフした履正社のエース・竹田 祐(3年)に対し、一死から神頭がヒットで出塁すると、エンドランが内野ゴロになる間に二進。ここで7番・長尾 亮弥(2年)はセンター前にタイムリーヒットを放ち、遂に試合をひっくり返した。

そして試合は最終回。1点を追う履正社は9回表、先頭の代打・白滝 恵汰(2年)が右中間へ二塁打。送りバントと四球で一・三塁とし、2番・溝辺。ここで溝部は意表を突くセーフティースクイズ。ここでマウンドを駆け下りた池上は必死のグラブトスを見せるが代走の松原 任耶(2年)がヘッドスライディング。土壇場で同点とした。

履正社はなおも一死満塁とすると、4番・若林 将平(3年)は報徳学園3番手左腕・津高 弘樹(3年)ライトへタイムリーを放って勝ち越し。続く浜内のショートゴロはホーム封殺となるが、直後にゲッツーを狙った捕手が一塁に高投し、ボールがライトへ抜ける間に二者が生還。この回4点を奪った履正社が6-3。逆に報徳学園を追い詰めた。

しかし、報徳学園もあきらめない。9回裏は四球と代打・山本 燎平(3年)のヒットで迎えた一死一・二塁から、小園がライト前へタイムリー。なおも一死一・三塁と長打が出れば同点というケースを作る。が、2番・永山の一打は無情にもセカンドゴロ併殺となりゲームセット。終盤、もつれにもつれた好勝負は履正社が6-4で報徳学園を下し、2014年以来2度目となる決勝進出を決めた。

なお、勝った履正社は、明日3月31日(金)の大会第12日・決勝戦で12時30分から大会史上初の同県対決となる大阪桐蔭(大阪)と対戦する。